アメリカの驚くべき個人金融資産額。日本の4倍以上だが・・・

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日本人は貯蓄好きと言われています。そして個人金融資産が約1,800兆円。しかし、驚くなかれ、浪費好きで有名なアメリカ人の個人金融資産はなんと約8,000兆円もあるのです。

アメリカの人口は約3.3億人。日本の約2.6倍です。しかし、金融資産は約4.4倍と人口比をはるかに上回ります。

アメリカ人の方がよほど貯蓄好きでお金持ちではないかっ!でもなんか違和感が・・・。



アメリカ人の平均資産額


アメリカ人の一人あたり平均資産額は約2,400万円にもなります。かたや日本は約1,400万円。

アメリカ人は十分に貯蓄好きでお金持ちなのです。しかし、その中身を見ると悲哀が見えてくるのです。

資産が少ない人から多い人を並べていったときに列の真ん中に並んでいる人が持っている資産額が中央値です。

一部のお金持ちが多くの貯蓄を保有している場合は中央値は小さくなります。

アメリカ人一人あたりの資産額中央値


以下は成人一人あたりの平均保有資産額と、中央値の保有資産額を表しています。

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2018年度グローバル・ウェルス・レポート(クレディ・スイス)を基に作成(1USドル=107円換算)

アメリカの平均資産額は世界3位で一人あたり4,000万円以上もの資産を持っています。にもかかわらず、中央値はトップ10にも入っていない・・・。いったいどういうこと?

中央値だと18位、金額では659万円となっています。一部のお金持ちが平均を大きく押し上げているという構造が浮かび上がります。

一方、日本は?


日本は平均だとトップ10にも入りませんが、中央値だと7位に入ります。一人あたりのパイは少ないが、平均的に配分されていると見ることができます。

ただし、日本にも問題があります。世代間格差の大きさです。

以下は世帯主の年齢別の資産額と収入額の多寡を表しています。

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(出所:社会実情データ図録)

収入はともかく、金融資産と負債を相殺した金融資産をみると50歳未満は平均してマイナスです。

住宅ローンや子育てに追われ、ゆとりがまったくないというのが実状なのです。それでも家を持てたり、結婚できる人はまだましです。

若い世代、とりわけ非正規雇用者は所得、資産ともに少なく、結婚すらできないというのが実態です。そのため、ますます少子化が進んでいます。

また、以下は世界主要国の貯蓄率の推移を表しています。

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(出所:社会実情データ図録)

バブル崩壊、1997年以降のデフレ化政策により、日本の貯蓄率は一貫して右肩下がり傾向です。

最近、ようやく財政破綻論のウソが暴かれてきたとはいえ、いまだ緊縮財政路線から完全に路線変更したわけではありませんので油断は禁物です。

ひとつ間違えればコロナ増税などとやりかねないのが今の日本政府、財務省ですから。日本だけの災禍であればまず間違いなく増税していたと思います。

国際的な財政拡大路線があったから、単に追随しただけというのが本当のところでしょう。

まともな政策を政府、日銀が取っていれば、今の日本の株価はバブル時の高値を抜いていた可能性は十分にあります。

まとめ


それにしてもアメリカの富の偏在には驚かされます。

アメリカ人の上位0.1%が保有する富の量と、下位90%が保有する富の量は同じという事実・・・。超ごく一部の富裕層ばかりがいい思いをして、その他大勢は貧しい。なんだか冷たい空気が蔓延しているようです。

行き過ぎた資本主義は社会の分断を招くだけだとつくづく感じます。

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