自国通貨建で変動為替レートの日本が財政破綻しない理由

札束



ご存じのとおり、日本は「円」という独自の通貨を持っています。そして、米ドルなど海外の通貨との交換レートは変動相場を採用しています。

この2つの条件が揃っている国は、論理的に財政破綻することは不可能です。それなのに財政破綻を煽る学者やマスコミはいったい何を考えているのでしょうか。



固定為替レートを採用する国は例外


自国通貨をもっていても、対ドルとの交換レートを固定している国は例外です。

仮に日本が1ドル=1円の固定為替レートを採用しているとします。

極端な例を考えてみます。

日本人は誰も働かず、円という紙だけ刷ってドルと交換し、なにもかも輸入に頼るとします。

すると何が起こるか?

日本銀行はひたすら紙(円)を刷りまくる必要が出てきます。ドルと交換する紙(円)がひたすら無くなっていくからです。

しかし、海外の人は円と書かれた紙をもらっても何もありがたくありません。だって、日本からは何も買うモノがないからです。

だからして、1ドルを1円という紙と交換するのは嫌になります。その価値がないから当たり前です。単なる紙屑にしか見えないでしょう。そして交換は成立しなくなります。

それでも海外からモノを買うしかないのですから、仕方がないので日本はドルでお金を借りるしかありません。いつか何か価値ある輸出品を作るから貸してねというわけです。

しかし、その「いつか」が来なかったらどうなるか?借金は返せなくなります(偽札でも作れば別ですが・・・。どっかの国みたいに)。

当然、債務不履行(デフォルト)を起こします。いわゆる財政破綻です。

変動為替レートを採用している国はどうか


日本人は働かないで輸入にすべて頼るという前提は同じとし、変動為替レートを採用した場合はどうなるでしょうか。

同じく日本銀行はひたすら紙(円)を刷りまくる必要が出てきます。

しかし、日本からは何も買うモノがないとなれば、円の価値が下がるのは固定レートと同じです。

違うのは、必ずしも1ドル=1円でなくても良いことです。価値がないのですから、レートはどんどん切り下がっていきます。

紙の価値まで下がっていくと思います。1ドル=100億円とか・・・。燃やせば燃料になるかもしれないし、溶かせばトイレットペーパーになるかもしれないからです。

しかし、逆に考えれば、インフレには陥るが紙(円)を刷り続けることができれば財政破綻は起こりません。

究極的には1ドル分の紙の価値まで下落して安定します。そう、紙を生産するということだけは行っていたのです。

まとめ


上記は極論であり、実際にはこんなことは起こりえないでしょう。日本人は勤勉です。海外からの輸入以上に価値ある輸出をしたり、あるいは海外へ投資して稼ぎ、毎年経常収支は黒字となっています。

海外の人は日本の円に価値を見出しているのです。なぜなら日本製品はまだまだ魅力があるからです。海外の人が日本の製品に価値を見出し、円を欲しがる以上、円は暴落などしないでしょう。そして、変動相場制を採用している以上、債務不履行もまた起こりません。

日本政府の債務が膨らんで大変だ~という池上的な発想は、はなから間違っています。しかし、日本はひたすら良い製品を作り続けるだけの生産能力を維持しなくてはなりません。

政府債務がGDPの何%であるか?とか、日本政府のBSとかは財政破綻とはなんら関係がありません。会社が債務超過でも資金繰りさえしっかりしていれば倒産しないのと同じです。

ましてや日本は自国通貨を発行できるのですから会社などとは次元が違います。資金繰りなど考える必要がないのです。

大事なのは生産力の維持。その敵となるのがデフレです。デフレで日本の供給能力はひたすら削がれつつあるのが現状です。多くのテナントが商業施設から次々と撤退し、閉店していきます。そして、日本の生産力は落ちていくのです。

民間がそんな状態であるのですから、デフレから脱却するには政府の巨額の財政支出と消費減税が欠かせません。

デフレによって民間企業が委縮し、究極的には倒産し、日本の生産能力が減少していきます。そうなれば日本円はいよいよ単なる紙に近づいていくことになります。

【参考】世界の経常収支


以下は日本の経常収支の推移です。恒常的に黒字を維持しています。円が価値を上げていくのもわかろうかというものです。

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そして、以下は近年財政破綻を起こした国々です。恒常的な赤字であることがよくわかります。

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異様なのはアメリカです。これだけ巨額の経常収支赤字を続けていてもドルの価値が維持されるのは、世界の取引が主にドルで行われているからにほかなりません。

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(出所:世界経済のネタ帳)

原油取引のほとんどは米ドルで行われており、米ドルを持っていないと話になりません。世界で通用することが米ドルの強みであり、米ドルに取って代わる通貨が現れることをアメリカは極度に嫌うはずです。

米ドルに価値を見いだせなくなれば、アメリカは大きなインフレに見舞われる可能性が高いからです。そして、米ドルに風穴を開けたいのが中国人民元であることは間違いありません。

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