日経、MMT批判再び。矛盾だらけで批判のための批判

コイン



日本経済新聞などと名乗っているからといって、必ずしも経済に深い洞察があるとは限りません。個人的見解として述べますとありません。

お金を出して買うのはいささかもったいないのですが、サラリーマン稼業ですと必要悪として購読せざるを得ないのではあります。



悪辣で素人のようなコラム


2020年8月12日の日経新聞17面のマーケット欄に『大機小機』なるコラムがありました。ペンネームで書かれており、書き手がいったい日経新聞の記者なのか、外部の無知識者かどうかは定かではありません。

そこでは、ケインズ経済学および現代貨幣理論(MMT)への対案なき批判が展開されておりました。

ポンコツコラムのポイント


そのポイントをまとめると以下のようになります。

・先日、2012年からの景気拡大は2018年10月末までだと政府は発表した

・重要なのはコロナショックを契機に日本が成長力を取り戻せるかである

・日本はバブル崩壊後IT化による生産性向上の流れに乗り遅れ、低成長を続けている

・生産性の低い経済はより高い成長を実現できるはずである。それは発展途上国をみれば明らか

・アメリカの生産性の半分強である日本はアメリカよりも高い成長率を実現してしかるべき

・日本の低成長の原因はケインズ的な景気回復策ばかりが行われたことにある

・ケインズ的な財政政策や金融政策では経済成長はもたらされない

・最近、MMTなる理論でケインズ的な政策が成長をもたらすという議論がある

・消費税を引き下げて景気を刺激すればいいといった議論である

・そのような景気対策では一時的な好況はもたらされるがその場限りで必ずツケが回ってくる。いや、低成長というツケが既に回ってきている

・その結果、国民所得は下がり、国の借金は積みあがるばかり

・いい加減まやかしの経済成長論から卒業して何が必要かの議論を始めるべき


まったく的外れな見解


まったく日本の経済が置かれてきた状況を理解していない間抜けが書いたとしか思えません。そしてそれを許す日本経済新聞は名前を変えたほうがいい。財務省広報誌とでも名乗ればよいのではなかろうか。

日本のデフレは1997年に本格化しました。それはまさにケインズ政策をやめたからにほかなりません。以下は公共投資の推移を表しています。

20200812koukyou.jpg
(出所:社会実情データ図録)

黒い線が日本です。GDPが伸びない中で比率が下がっていくのですから、金額ベースにしたら他国とは比較にならないほどの落ち込みようです。バブル崩壊後の日本はまさに縮小均衡路線を走ってきたのです。典型的な反ケインズ政策といえるでしょう。

デフレが加速していくのですからIT投資にも慎重になり、IT化が遅れ、生産性向上が遅れたというのにまったく逆のことを言っているのですからあきれるばかりです。

短いコラムなのに見事なまでの矛盾


前段でケインズ政策をしても低成長のままであると言っておきながら、後段ではケインズ政策をすれば一時的な好況がもたらされるなどと言っており、矛盾に気が付かないのでしょうか?

ツケが回ってくるって言ってますが、どんなツケが回ってくるのか全然言及していません。そして、今もはや低成長というツケが既に回ってきているなどという節操のなさ・・・。

新聞って金もらっている以上、一応のところ言論のプロなんでしょう?そうは思えませんが。

政府支出拡大こそが成長への道


ケインズ政策を大胆に打たないからこそ、国民の所得は増えないのです。政府の借金は全然足りない。小出しの景気対策でごまかしてきたからこそ、低成長の今があります。戦力の逐次投入が愚策であることは歴史が証明するところです。

以下は、政府の財政支出と経済成長の相関を表しています。

20200812GDP.jpg
(出所:「新世紀のビッグブラザーへ」三橋貴明氏ブログ)

政府支出を伸ばしていない日本はGDPも伸びていない。政府支出を伸ばしている国は経済成長率も高くなっています。

明らかに正の相関があります。日本がバブル崩壊後、財政支出を増やしてきたかのような嘘はやめてもらいたい。

明らかに認識違いです。しかも何らの対案も示さず無責任極まりない。日経新聞の『大便小便』じゃなくて『大機小機』は、財務省の犬が書いた粗悪な作文にしか見えないのであります。

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