GDPの年率換算って何か意味あるの?無意味な数値にしか思えない

新聞



昨日(2020年8月17日)、日本の2020年4~6月期の実質GDP速報値が発表されました。非常に厳しいのは事実なのですが・・・。



2020年4~6月期のGDP


報道によれば、前四半期比マイナス7.8%、年率換算でマイナス27.8%という超下落となりました。

ゴールドマンサックスなどは年率換算で25%程度のマイナスを早くから予想していましたので想定の範囲内とはいえ、あらためて戦後最悪の水準という結果に驚かされます。

それにしても、一人歩きしているのがマイナス27.8%という数字です。

なにしろ、何事も大げさに騒ぎたてたいのが人の性。とはいえGDPを年率換算するということに何か意味はあるのでしょうか?

その愚かしさは、株式投資をしている人なら理解できるはずです。

GDPの年率換算とは・・・


ご存じの方も多いと思いますので、ご容赦いただきたいのですが、年率換算とは4~6月期のマイナス7.8%が今後の3四半期も継続するという前提で出される数値です。

イメージとしたら以下のようになります。

20200817GDP.jpg

2020年4月から5月にかけて緊急事態宣言が出されましたから、4~6月期の急激な悪化はやむを得ません。しかし、7月以降は4~6月期よりも盛り返しているはずです。

それなのに、なぜか直近3か月の数値が続いていくという前提で出されるのが年率換算です。

マイナス27.8%などと聞くと、経済規模がまるで7割程度に縮小してしまうかのような錯覚を受けますが、実際のところそんなことはありません。

日経平均で例えると・・・


仮定の話として、2020年4月初めから6月末までに日経平均が30%下落したとします。この下落が残り3四半期継続すると見て出されるのが年率換算です。

イメージは以下のようになります。

20200817kabu.jpg

ここ3か月で23,000円から16,100円に下がった、このペースだと9か月後には5,500円になってしまう~、というのが年率換算というわけのわからぬ考え方です。年率換算にするとマイナス76%です。(年率換算しても単純に4倍にならないのは複利計算しているからです。)

今日は日経平均が200円下がったから、あと120営業日で日経平均ゼロになるな、などと言っているのとほとんど変わらない話なのです。そんなアホな・・・。

2020年の実質GDPはどの程度になるのか


今後の動静はひとえにコロナ騒動の行方にかかっています。

秋以降に再び状況が悪化し、再度、緊急事態宣言を出さねばならないような事態となれば、通年でもかなり厳しい数字となるはずです。

個人的予想としては、2020年はマイナス5%から9%の間に収まるのではないかと考えています。
(関連記事)2020年の名目GDPはいったいいくらになるのか

まとめ


年率換算は無意味とはいえ、経済が超低迷していることに違いありません。消費増税後の景気悪化からさらなる大きな追い討ちです。多くの人が反対する中、リーマンショック級のことがなければ消費増税を行うと言って、上げた途端にこの顛末なのです。

消費税はどんなに景気が悪くても容赦なく徴税を強いる点で景気の調整機能が働きません。子供からもお金を奪い取るという残酷な税金です。人頭税みたいなものです。

そして欧米各国は消費減税に動いているのにこの日本ときたら・・・。

自民党の甘利氏などは消費減税に関し、「財政に与えるマグニチュードは巨大だ。税率を(再び)上げるのに何十年もかかる。」などととんでもない非情ぶりを発揮しており、はっきり言って国民の敵です。何十年もかかるわけないだろ・・・。

次期首相候補である岸田文雄氏なども「消費税は下げるべきではない。10%に引き上げるだけで、どれだけの年月と努力が求められたか。」などといよいよ薄情な本性を表しています。

まるで出来上がった想定問答、応酬話法であり、誰かが仕込んでいるに違いないと推測するのです。

また稲田朋美氏なども同様で、苦しむ国民のことなどなんとも思っていないようです。

以下は現時点で把握できている緊縮財政路線派の自民党議員です。次期選挙では投票すべきでない政治家たちです。

麻生 太郎
岸田 文雄
甘利 明
稲田 朋美
石﨑 徹
井林 辰憲
大岡 敏孝
岡下 昌平
宗清 皇一
滝波 宏文
松川 るい
石原 伸晃
塩崎 恭久
根本 匠

一方、見識ある経済観念をお持ちで、国民目線に立っている自民党議員も少なからずおります。以下は現時点で把握できている良識ある自民党議員です。なんとしても次期選挙でも当選していただかねばなりません。

山本 幸三
城内 実
安藤 裕
中村 裕之
石川 昭政
藤丸 敏
舞立 昇治
足立 敏之
西田 昌司


今は今後の日本の行方を決める分水嶺です。そしてそれが株価にも跳ね返ってくることは論を俟ちません。

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