アメリカで新型コロナの死亡者が多い理由の一つ

アメリカ



世界にばらまかれた新型コロナウイルスですが、国により大きく情勢は異なります。

凄惨な状況に陥ったのは、欧米諸国。とりわけアメリカの状況がひどくなっています。



世界の新型コロナウイルスによる死亡者数推移


それにしても国によってこんなに被害が異なるのは異様な姿です。

そして、さまざまな有力な説は出てきているとはいえ、今のところその要因は特定されていません。

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(出所:社会実情データ図録)

日本の死亡者数はアメリカの約150分の1。人口比を考慮すれば50分の1程度になります。

アメリカの死亡者が多い要因の一つ


さまざまな要因の中の一つと考えられるのは、アメリカの医療費が異様に高いことです。

国民皆保険でもなく、貧しい人は保険に加入できないため、安易に病院に行くこともできません。

医療費の請求が巨額となり、支払い不能になって破産する人が後を絶ちません。少々、体に異変を感じても、請求される金額が恐くて尻込みしてしまうという悲しい現実があります。

アメリカの医療費がいかに高いか


アメリカは医療においても超格差社会が進展しています。

日本医師会のホームページに、世界の主要都市で盲腸の治療をした場合にかかる費用が掲載されています。

それによれば、

1位:ニューヨーク 152万円~440万円
2位:パリ      22万円~97万円
3位:マドリッド   48万円~91万円
4位:ロンドン    74万円
5位:ローマ     69万円~73万円

となっています。ちなみに日本は30万円です。

保険に入っていなければニューヨークで盲腸の治療をすると400万円以上もかかる可能性があるのですから、痛みをこらえて我慢する人も出てくるのは当然です。

保険に入らず海外旅行に行って現地で病気になり、治療を受けたらとんでもない金額を請求されたなんていうのはよく聞く話です。

なぜアメリカでは医療費が高いか


キーワードとしていえるのは「医療の自由化」です。アメリカでは診療報酬や薬の値段を病院や薬局が自由に決めることができるのです。

しかし、自由化すれば競争原理が働いて安くなるのでは?という疑問も湧いてきます。

その疑問の答えは大きく2つに集約できそうです。

1.アメリカは訴訟社会であること

なにかにつけて人の揚げ足をとり、裁判を起こして金をふんだくるのがアメリカ社会の一側面です。

医者も揚げ足はとられたくない。なにしろ巨額の賠償金を支払わされる可能性があるからです。

安易な医療ミスや診断ミスは避けなればならないのです。そのためにはありとあらゆる検査を行い、診断ミスを防ぐ必要が出てきます。

そして、検査をすれば病院も儲かるので止める理由もないというわけです。

2.医療は患者との情報格差が著しいこと

医者の言うことはある種絶対的です。この世には星の数ほどの病気とそれに対する治療法があり、患者と医療機関との情報格差は著しい。

医者の権威に、患者は逆らうことはできません。

いわば言い値で治療を受けるしかないわけです。そして診療報酬は自由化されているのですからいわば青天井です。その点、日本は医療費の基準が定められているため、上限があり、法外な請求はなされないという安心感があります。


医療格差が新型コロナの死亡者数にも影響


アメリカで、新型コロナにかかり2か月入院したら、1億2千万円もの治療費の請求が来たというのは有名な話です。

この人はたまたま70歳と高齢で公的保険制度の対象だったため、その負担は免れることができました。しかし、もし、69歳だったらと考えるとぞっとします。

このような医療格差がアメリカの新型コロナによる死亡者数に大きな影響を与えている可能性は大いにあると考えられますし、日本も対岸の火事とせず、医療の自由化などを推進してはならぬと確信するのです。

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