CASEで世界の自動車販売は減少へ

自動車産業は今まさに岐路に立たされています。そのキーワードは「CASE」。日本は自動車大国でありながら、CASEへの取り組みは世界最先端を走っているとはいえません。
CASEとは何か
CASEは自動車の未来を表すキーワードとして、2016年に突如として登場しました。
ダイムラー社の当時のCEOがパリのモーターショーで使い始めた造語です。CASEは4つの言葉の頭文字をとっています。
C:Connected(つながる)
A:Autonomous (自動)
S:Shared(シェア)
E:Erectric(電気)
A:Autonomous (自動)
S:Shared(シェア)
E:Erectric(電気)
上記の4つの頭文字をとって「CASE」。そして、CASEは近未来の自動車の姿、特徴を表しているのです。
人口増と比例しない自動車台数
1900年には約16億人だった世界人口がいまや78億人にまで増加しました。日本など先進国では人口増は止まりつつありますが、発展途上国ではまだまだ人口は増え、世界人口はまだまだ増加していく見込みです。

(出所:社会実情データ図録)
40年後(2060年)には100億人を突破すると見られています。
しかし、人口増加に比例して自動車が増加していくとは見られない点に注意が必要なのです。
経済成長が止まりつつある先進国を中心に「シェアリング」という概念が急速に発展しています。そして、シェアリングが自動車の増加をストップさせる可能性が高いのです。
カーシェアリングは日本でも広がりつつある
デフレに苦しむ日本人、とりわけ若者にとって自動車は高嶺の花となりつつあります。あるいは所有することに価値を見いだせなくなってきてもいます。
保険料、税金、燃料費、車検、駐車料金、タイヤ代など維持費が高くつく割りに稼働時間は短い。ほとんどの時間は駐車場で眠っているというのが実態です。
単なる移動手段として考えれば、これほど不経済なことはありません。
そこで考えられたのがカー・シェアリング。多くの人で自動車を共有して使おうという考え方です。
日本でもカー・シェアリングは順調に成長しており、2019年3月末で160万人を超える会員がいるといいます。
カー・シェアリングはどのように活用されているか
海外、とりわけヨーロッパではカー・シェアリングの活用が進んでいます。
今まで家庭で2台持っていた自動車を1台にし、自動車が必要なときだけカー・シェアリングを使うといった活用が進んでいます。
近くで利用できる自動車をスマホで探し、乗車して目的地周辺の駐車場に乗り捨てるといった利用がなされています。
カー・シェアリングがもたらすもの
前段を読んでいただければその帰結は明らかです。2台所有していた自動車が1台になるのですから、自動車台数が減るのです。
シェアされる自動車は増えていきますが、人口の増加よりも少なくなるはずです。
先進国では今後、自動車の台数は減っていくでしょう。自動車メーカーは発展途上国に活路を見い出すほかありません。とはいえ、米中冷戦で中国での自動車販売は大きなリスクを伴う事業となりました。
既存の自動車産業は袋小路に追い詰められつつあり、今後の生き残りをかけた岐路に立たされていることは間違いありません。
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