オフィス、ホテル、コロナ禍での不動産動向のその後(2020年8月)

それにしても新型コロナウイルスがオフィス不動産市場に大きな影響を与えるなどとは思ってもいませんでした。
もちろん、景気が悪化すれば倒産や事業の縮小によるオフィス需要の減退が起こることは想定内ですが、問題はそこではありません。ウイルスが与えた影響は単なる景気の悪化という一過性のものにとどまらなかったのですから。
ウイルスが与えた影響
コロナ騒動が収束しません。個人的見解ですが、今のコロナ騒動はあくまで煽動に乗せられた騒動であり、実態ではない点に注意が必要です。
しかしながら、その煽動にまんまと乗せられてしまうのもまた人間なのです。いったん動き出した潮流はそれが誤っていたとしても、なかなか潮目は変わらないということが改めて認識できました。
オフィス需要の減退理由その1
2020年4~6月期、退居するテナントの面積が入居するテナントの面積を上回りました。人口でいうなら死ぬ人が生まれる人よりも多くなったということです。
オフィス需要の減退は2つの要因に分けることができます。
1つはコロナ騒動にともなう景気悪化です。収益が悪化すれば経費を削減しようという動きが出るのは当然のことです。会社をつぶさないためなのですからしかたありません。
しかし、景気はいつかまた持ち直すはずです。そうなれば再びオフィス需要が増してくるでしょう。景気悪化だけが要因であるならば、大きな心配をする必要はありません。
オフィス需要の減退理由その2
2つめの理由はご想像のとおり、在宅勤務の拡大です。
今後、オフィス面積を縮小したいと考える企業は昨年に比べ10%上昇しています(約14%)。一方で拡張したいと考える企業は半減しました(約12%)。
縮小傾向が明らかとなっています。
しかし、増やしたいと考えている企業が一定数存在することには若干救われる思いです。オフィス需要が消滅するわけではないというのもまた事実だからです。
総合的に考えて、オフィス型Jリートのリバウンドは限定されるとはいえ、ここから急落するリスクも小さく、安値安定が継続すると考えられます。
ホテル業界の低迷続く
GoToキャンペーンなるものも不発。それはそうでしょう。
自粛を求めながら旅行を勧めるという矛盾。まさに日本の経済運営の縮図のようです。
財政出動をしつつ、増税もするという矛盾です。そしてその矛盾を多くの政治家が認めているのですから驚きます(気が付いていないだけかも)。
そして、その矛盾の影武者が財務省であることは火を見るよりも明らかです。大手メディアや御用学者、多くの政治家は財務省の犬と化しています。誇りを捨てても、犬となることで自分たちの利益になるからです。
話がそれましたが、ホテルの状況は好転しているのでしょうか?
2020年7月のホテル稼働率は約29%と6月よりも5%ほど好転しました。若干とはいえ増加に転じたのですから明るいニュースです。
しかし、ホテル型Jリートの投資口価格には反映されていません。その理由は2つ考えられます。
1つめは、客単価の下落です。前年同期比で約27%も下落しているのですから、価格を下げて稼働率を上げていると考えられます。
2つめとして、コロナ陽性者が増加していることです。死者数が若干増加しているとはいえ誤差レベルの話で気にするほどのこともないのですが、世の中はマスコミの煽りに踊らされ、自粛ムードが止まりません。
8月は再び稼働率が下がる可能性もあります。その影響からホテル型Jリートの価格が底這いを続けているものと考えられます。
最近気になる話
最近やたらとメディアに出て、消費減税をけん制しているのが自民党議員の甘利明氏です。
数日前もどこかのメディアで、IT投資には減税を検討していると述べている一方、まったく関係のない消費税の減税に否定的な見方を示していました。
まるで財務省に操られているロボットのようです。政治家とはとてもいえません。このような時期にあえて消費税減税をけん制するような議員は国民の敵といわざるをえません。
しつこいですが、以下は現状で把握している緊縮財政派の自民党議員です。いわば国民の敵なのです。このような議員が幅を利かせている限り、日本はデフレから脱却できませんし、株価はいつまでもバブル期を上回ることはないでしょう。Jリート市場にとっても逆風を吹かせる政治家でしかありません。次の選挙ではぜひとも落選してほしい面々なのです。
麻生太郎、岸田文雄、甘利明、稲田朋美、石﨑徹、井林辰憲、大岡敏孝、岡下昌平、宗清皇一、滝波宏文、松川るい、石原伸晃、塩崎恭久、根本匠
そして、以下は積極財政派の自民党議員です。経済に明るく、インフレ時とデフレ時の経済政策をあり方を知る良心的議員といえるでしょう。
山本幸三、城内実、安藤裕、中村裕之、石川昭政、藤丸敏、舞立昇治、足立敏之、西田昌司
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