消費増税が社会保障費の財源?平気で嘘をつく政治家

EU



太平洋戦争において日本は数百万人の犠牲者を出しましたが、連合国側も数十万人以上という多大な犠牲者を出しました。

そして、戦争に勝った連合国側(とりわけアメリカ)は二度と日本に軍隊を持たせてはならないと誓ったのです。



瓶のふた論で日本封じ込めへ


戦争の落とし子が日本国憲法であることは誰もが知っていることです。

また、財政法においても国債発行が厳しく規制されることとなりました。なにしろ戦争をするには大量の資金が要ります。そして、その財源として利用されるのが国債だからだという理屈なのです。

その考え方は今も脈々と息づいており、プライマリーバランス黒字化目標などという意味のない目標が設定されたりするわけです。

しかし、卵が先か、鶏が先かということをよく考えなければなりません。戦争をしたくて国債を発行するのではなく、戦争がになってしまったから国債で資金調達するしかないということです。

原因と結果を取り違えてはいけません。しかし、取違いは起こりました。国家財政を司る財政法において以下のように定められたのです。

財政法

第四条
国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。(以下略)

第五条
すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、又、借入金の借入については、日本銀行からこれを借り入れてはならない。但し、特別の事由がある場合において、国会の議決を経た金額の範囲内では、この限りでない。


財政法誕生の背景は・・・


日本政府はなぜ上記のような法律を制定したのか。

この点、共産党のしんぶん赤旗が当時の経緯を記事にしています。

(以下引用)

この規定は、戦前、天皇制政府がおこなった無謀な侵略戦争が、膨大な戦時国債の発行があってはじめて可能であったという反省にもとづいて、財政法制定にさいして設けられたもので、憲法の前文および第9条の平和主義に照応するものです。・・・

公債のないところに戦争はないと断言しうるのである。従って、本条(財政法第4条)はまた戦争放棄の規定を裏書き保証せんとするものであるともいいうる。

共産党の新聞なので左に寄りすぎているのはともかくとして、アメリカの意向に沿った形で法律が制定されたのは間違いないと推察できます。

当初、アメリカは日本を自衛権すらない国家(もはや国家ではない)にすべく憲法を制定しようとしていたというのですから驚きです。さすがにそれは実現しませんでしたが・・・。

それにしても侵略のために国債を刷るというのはいくらなんでも暴論です。歴史は当時の世界の情勢や価値観、基準の中で考えなければ意味がない。

今となっては非常識だと思われることが、当時は常識であったということは多々あることだからです。今の価値観から過去の行動を過ちだとするのは、まるで事後に作った法律で過去の行動を裁くかのようです。

EUもまた財政規律に縛られる


このような考え方は日本だけに広められたものではありません。同じく敗戦国、ドイツです。

ドイツもまた第二次世界大戦で連合国を大いに苦しめた大国でした。連合国側に、二度とドイツを強国にしてはならないという動機が働くのは当然のことです。

また、ドイツは2度の大戦の敗北で大いにインフレに苦しめられたことから、インフレを恐れるインフレファイターとしても有名な国家です。

そのドイツを中心とするEUは、マーストリヒト条約なるもので、財政赤字はGDPの3%以内に収めなければなりません。EU加盟国は自国の景気が悪くなっても思うような財政政策を打てないという悩みにぶち当たります。

ユーロの価値を保つためという名目なのでしょうが、各々の国に経済的な主権はほとんどないといえます。

そして、EUの緊縮財政路線のつけは若者に回されました。若者の失業率は異様なほど高くなったのです。

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(出所:社会実情データ図録)

日本、EUの猿真似をす


そして、なんと日本もEUに倣ったのです。1997年に成立した財政構造改革法で、財政赤字対GDP比を3%以内とすると定めてしまったのです。

1997年は消費税を3%から5%に上げた年でもあり、まさに本格的デフレに突入したデフレ元年です。ただでさえ、バブル崩壊で苦しんでいたのに、追い討ちをかけるがごとく、また、なんの理念もなく、ただ単にEUの真似をしただけ。

しかし、その猿真似のせいで日本はいまだデフレから脱却できません。この分だと失われた30年になりそうな気配です。

先日、次期首相候補の一人である岸田文雄政調会長が時事通信のインタビューで消費減税について言及しています。

―消費税減税を求める声がある。

消費税は下げるべきではない。10%に引き上げるだけで、どれだけの年月と努力が求められたか。なおかつ消費税は社会保障の重要な財源となっている。社会保障の充実が言われている時に、この基幹税を軽減することはいかがなものだろうか。

まったく非情な発言です。

消費税をめぐるインチキ理論


そして、この論理は嘘八百なのです。

消費税は一般税収であり、他の税収とごちゃ混ぜになり、必ずしも社会保障費に充てられるとは限りません。

2014年に5%から8%へと増税した際には、増えた税収分の8割以上が国債の返済資金に充てられ、社会保障費はカットされました。

どんぶり勘定であることをいいことに真っ赤な嘘を並べているわけです。本当に社会保障費のみに充当するのであれば、特定財源として別枠とするか、保険料方式にしなければおかしいでしょう。

このようなインチキ話法を使う岸田氏は財務省の犬と呼ばれてもしかたがないと思うのでした。

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