Jリートの戻りが株式に比べて鈍すぎるのはなぜ?

ビル



日経平均は新型コロナ騒動前の水準にまで戻してきました。

それに対し、Jリートときたら、今だ戻りは半分程度。ボラティリティが株式よりも小さいと思われてきたJリートですが実際のところは逆でした。これにはJリート固有のいくつかの要因があります。



Jシート市場の現状


以下は東証リート指数の最近の値動きです。

20200905reit.jpg

見事に半値戻しでストップ。半値戻しは全値戻しなどという相場格言もありますが、Jリートにはその力はないであろうと思われます。あまりに懸念材料が多すぎるからです。

新型コロナの影響で、ホテルや商業施設はダメ、オフィス市況も強気から弱気へと反転しました。

リート指数は安倍政権発足以降、2倍以上に跳ね上がりましたが、瞬間風速では行って来いにまで下がってしまいました。

唯一、気を吐くのは物流系のリートくらいです。物流系はテナントにイーコマース関連の会社が入居しているため、新しい生活様式などというものにマッチしたということです。

業績悪化による減配リスク


株式はさまざまな業種があり、新型コロナ下においても、それを追い風にできる企業もある一方で、Jリートは不動産という狭い市場をターゲットとしているため、逃げ道がないというのが実態です。

そして、Jリートはその魅力の源泉である分配金の原資たる賃料の減免や、延滞要請が相次ぎ、予想分配金を下げる銘柄が増えています。

約半数以上の銘柄で分配金が減少する見込みです。とりわけ悲惨なのはホテル系であることは既報のとおりです。

あるホテル系リートが保有するホテルの稼働率は昨年の春、80%以上ありましたが、今春はなんと10%以下にまで急減しています。

Go Toキャンペーンもほぼ空振りに終わり、ビジネスホテルの宿泊料金はカプセルホテル並みに値下がっています。稼働率は下がり、客単価も減るというダブルパンチです。

ホテル運営会社は変動賃料どころか、固定賃料までも支払いが厳しくなり、Jリート側が支払減免に応じています。

将来への不安


懸念されるのはホテル系だけではありません。

在宅勤務の拡大と業績低迷により、都心のオフィスの空室率は5か月連続で上昇中です。オフィスの賃料は、空室率の上昇から遅れて下がっていくため、今後、オフィスの賃料が下落することはほぼ間違いありません。

そうなれば当然に分配原資が減少することとなりますから、予想分配金利回りの減少は避けられず、投資口価格の下落で調整されることになるでしょう。

安いからといって、逆張りすることはかなりの危険を伴います。

あつものにこりてなますをふく


低金利にあえぐ銀行。

利回りを求めて買い漁ったのがJリートでした。ところがその目論見は大きく外れ、リスク回避のための損切りが、Jリートショック安の原因となったことは明らかです。

銀行員は頭がカチカチのサラリーマン投資家です。一度大損をしたJリートに再び投資したいなどと上司に具申すれば、大目玉を食らう可能性もあり、口にも出せません。

今までJリート相場を牽引した大口投資家が死に体となっている以上、ここからさらなる上昇を期待するのは無理というものでしょう。

まとめ


とにかく、新型コロナ騒動が収まるまではJリート市場はだらだらと横ばいを続けるものと見ます。

それが1年となるか2年となるかはわかりませんが、2019年の高値を抜くまでには相当の時間を要するものと考えます。しばらくは我慢のときが続きそうな気配なのです。

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