CREロジスティクスとマリモ地方創生リートの運用報告から今後を読む

物流系のJリート、CREロジスティックスファンド投資法人(3487)と地方物件に投資する総合型のJリート、マリモ地方創生リート投資法人(3470)から、2020年6月期の資産運用報告が届いたのであります。
絶好調の物流系リートと総合型のJリート、同じJリートでも毛並みが違うため、その内容を見比べて、現況および今後の見通しについて確認してみたのです。
値動き比較
まずは両銘柄の値動きを確認しておきましょう。
●CREロジスティックスファンド投資法人(3487)

●マリモ地方創生リート投資法人(3470)

緊急事態宣言前後で暴落しているのは同じですが、その後のリバウンドに大きな差が見られます。CREはコロナ前を上回っているのに対し、マリモは半値戻し程度。
Jリートという同じ括りでもその特徴から値動きにも大きな違いが出ていることがわかります。
CREの資産運用報告を読み解く
まずは代表あいさつにその好調さと今後への自信が読み取れます。
・通信販売・電子商取引の更なる拡大が起きる
・サプライチェーンの寸断等に備えた在庫量の積み増しが起きる
・よって、物流不動産市場は今後も堅調に推移すると考える
・各テナントとは固定賃料契約であり、賃料減額や支払猶予の要請はない
・賃料は全額受け取っている
・新型コロナウイルスの影響は特段存在しない
・サプライチェーンの寸断等に備えた在庫量の積み増しが起きる
・よって、物流不動産市場は今後も堅調に推移すると考える
・各テナントとは固定賃料契約であり、賃料減額や支払猶予の要請はない
・賃料は全額受け取っている
・新型コロナウイルスの影響は特段存在しない
といった内容です。
また、首都圏における物流施設の空室率は0.43%と過去最低水準であり、今後、経済の落込みで賃貸需要が減少しても、物流施設はむしろ増加すると考えているなど、一貫した強気の姿勢が見て取れます。これも足元の業績がしっかりしているからこそ言えることでしょう。
対処すべき課題の中にも、コロナの文字は入っておらず、コロナ騒動はむしろ追い風となっているようです。
マリモの資産運用報告を読み解く
マリモはスポンサーがもともとマンション分譲を主たる業務としていることから、総合型とはいえ、そのポートフォリオはかなり住居型に偏っています(45.2%)。しかし、物流施設の比率も大きく(45.6%)、コロナ騒動の影響は相当程度受けているようです。
オフィスが6.7%、ホテルが2.5%となっており、ホテルが少ないことで、結果論的ですが被害は少なくて済みました。
とはいえ、賃料減額要請テナントは27.1%にも及びます。賃料減額要請に対してはほぼ支払猶予で対応ということでインパクトは限定的とされています。
しかし、猶予した賃料が今後入ってくるのか?という大きな懸念も残ります。このコロナ騒動の行方がどうなるのかによって今後が大きく左右されることになりそうです。
マリモの今後の投資戦略は参考になる
マリモはコロナ後の投資戦略(アフターコロナ)を表明しています。これは個人投資家にも大いに参考になるものです。以下、簡単にまとめておきます。
・住居(レジデンス)
安全資産として積極的に検討
・商業施設
売上高が安定しているテナントは積極的に検討
・ホテル
需給動向を注視しつつも検討姿勢は消極的
・オフィス
在宅勤務等の影響を考慮しつつ、エリアを選別し厳選投資
安全資産として積極的に検討
・商業施設
売上高が安定しているテナントは積極的に検討
・ホテル
需給動向を注視しつつも検討姿勢は消極的
・オフィス
在宅勤務等の影響を考慮しつつ、エリアを選別し厳選投資
まとめ
新型コロナウイルスは社会生活を大きく変化させました。コロナ後に元に戻るもの、戻らないものの区別がなんとなくわかってきたようです。
テレビ会議やテレワークといったものはアフターコロナでも変わらず残り続けるでしょう。当然、オフィス需要や出張によるホテル需要などに大きな影響を与えます。
一方で、商業施設などはアフターコロナ後に元に戻る可能性は高いと考えられます。やはり、休日に家の中ばかりで過ごすとはとても思えません。人間は刺激を求めますから。
今秋および来冬がコロナ騒動の峠となるでしょう。3年後にはほぼ忘れ去られていると願います。
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