アメリカでもガソリン車駆逐の動き。自動車業界視界不良

電気自動車



自動車大国アメリカ。かつてはガソリンをがぶ飲みした大型車が跋扈し、リッター当たりの燃費は2、3キロなんていうイメージでした。

さすがにここ最近はどうでもないようですが・・・。さらに、突如としてヨーロッパに追随し、内燃エンジン駆逐の流れが降ってわいたのです。それは日本の自動車メーカーにとっても戦略転換を迫られる大きな流れでした。



カリフォルニア州がガソリン車の販売を禁止へ


2020年9月23日、突如としてアメリカ、カリフォルニア州知事は、2035年をもって排気ガスを出すクルマの販売を禁止する方針を打ち出しました。

脱内燃エンジンの流れはヨーロッパを中心に先行していましたが、アメリカで販売禁止を打ち出したのはカリフォルニア州が初めてです。そして、同州はアメリカでもっともクルマが売れる州であるため、その影響は大きいのです。

州知事は他の州や国も追随すべきだと述べており、この動きはさらに広がっていくものと考えて間違いないでしょう。

カリフォルニア州の市場動向


カリフォルニア州は人口が約4千万人、面積は一州だけで日本の大きさを上回る巨大な州です。

当然、市場規模は大きく、全米ナンバーワンです。カリフォルニア州だけで年間200万台近くの自動車販売台数を誇り、日本全体の市場規模の半分近くにもなる巨大マーケットです。

そして、その中で気を吐いているのはわれらが日本車。日本車のシェアが半分近くを占め、アメリカ勢の3割を大きく上回っています。実に年間100万台近くの日本車が、カリフォルニア州だけで売られている計算になります。

市場環境の変化は業界勢力図を塗り替える可能性大


アメリカの自動車メーカーを含め、主要な自動車メーカーはカリフォルニア州の突然の規制案に反発しています。しかし、時代の流れには逆らえないでしょう。

そして自動車メーカーに与えるインパクトは大きい。とりわけ電気自動車の開発が遅れているメーカーは危機感を募らせています。

例えば、スバルは売上の7割をアメリカに依存していますが、電気自動車を持っていません。スバル独特の水平対向エンジン「ボクサー」が人気であり、ドル箱だったのです。

しかし、今後の市場動向を見据え、2020年代の前半にはトヨタと共同開発した電気自動車の販売を開始する構えです。

マツダも同様にアメリカで電気自動車の展開をしておらず、今後、新たな対応を迫られるはずです。

トヨタでさえ大きな転換を迫られる


世界で1、2位のシェアを争うあのトヨタでさえ、安閑としてはいられません。カリフォルニア州の規制ではハイブリッド車は規制の対象とされます。排ガスはゼロでなくてはならないからです。

トヨタが販売している次世代自動車のほとんどすべてがハイブリッド車であることから、トヨタも今後大きな変化を遂げなければ、世界市場で生き残ることは難しくなります。

電気自動車への転換と自動運転の開発と・・・


合わせて今大きく進んでいるのが自動運転技術です。完全自動運転までの道のりはまだまだ遠いとはいえ、半自動化までは達成したといっていいでしょう。

電気自動車の開発と、自動運転技術の開発。

自動車メーカーには重い課題が2つ同時に課せられています。そして、それを成し遂げるには巨大な研究開発費が必要であり、中小型メーカーは単独での開発は困難です。

巨大資本の傘下に入るなり、業務提携なりで技術開発負担を抑えつつ、競争力を維持するという難しい舵取りを迫られています。

電気自動車に変わっていくことで、消費者の嗜好も一気に変わる可能性もあり、今まで培ってきたブランドが役に立たなくなる可能性すらあります。

以下は2017年の世界のパワートレイン別の自動車生産台数です。

20200927power.jpg
(出所:国土交通省)

ICE(内燃エンジン)が実に96%を占めていますが、今後これがオセロゲームのように電気自動車にひっくり返っていくのです。

その過程で業界秩序が大きく変わっていくのは目に見えています。

カリフォルニアといえば・・・


カリフォルニアといえばシリコンバレーです。そして、電気自動車、自動運転で先行するテスラの本社はまさにカリフォルニア州にあります。

今回の規制となにか繋がりがあるのではと勘ぐってしまうのは私だけではないでしょう。そして、自動車は今までの業界秩序が壊されて、IT産業化する可能性は十分です。

今では一眼レフカメラの売場には、ソニーやらパナソニックやら電気機器メーカーの商品が当たり前のように並んでいますが、一昔前(フィルム時代)では考えられなかったことです。

これと同じことが今後、自動車産業にも起こっていくことは間違いなく、生き残りをかけた死闘が繰り広げられることになります。

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