疑似バフェット指標(2020年9月末):株主至上主義が終焉するとなれば・・・

東証システム障害には驚かされました。なんという体たらく。国家の社会インフラの一つが一日ストップしてしまうとは・・・。
もはや日本は先進国の名を名乗れないのではないかと思ってしまいます。また、あまりにも高度化したシステムの潜在的リスクをまざまざと感じさせられたのであります。
富士通の株価
東証のシステム運用をしているのは富士通(6702)だそうです。2020年10月2日、さすがに富士通の株は大きく売られました。

トランプ大統領の新型コロナ感染で、全般的に下がったとはいえ、注目すべきは富士通の出来高でしょう。
システムの信頼性の低下による失望売りが出たものと考えられます。
失業の増加、求人倍率の低迷
あっという間に2020年度上半期も終わりました。今年はコロナ騒動一色に染まり、社会のあり方までもが大きく変わってしまいました。
経済は低調、というか絶不調です。いよいよ失業率も上昇傾向に歯止めがかからなくなり、有効求人倍率も下がってきました。

(出所:厚生労働省)
求人は若干持ち直していますが、それ以上に求職者数の伸びが大きいため、結果的に有効求人倍率は低下しています。
2020年8月には自殺者もここ数年で一番高い水準となってきており、新型コロナの影響がボディブローのように効き始めています。

(出所:厚生労働省(一部加筆))
現状の株価水準は?
2020年9月末現在の株価の居所を確認しておきましょう。(疑似バフェット指標についてはこちらをご覧ください。)

金融機関にとって中間決算期でもあり、日銀のETF買いなどで株価は無理やり堅調にさせておいたといったところでしょうか。株価水準として、現状は明らかに割高水準と見ます。
それにしてもこの秋から冬にかけて、新型コロナがどうなるのかによって、今後の日本、そして世界経済は大きく左右されそうです。世界経済はすぐにV字回復とはいかないと思います。
コロナ禍が収まったとしても、米中冷戦、そして世界の中国デカップリングの流れはそうそう収まりません。世界は中国に愛想を尽かし始めています。いや、そんな生易しい言葉ではない。敵意といったほうが良いでしょう。
株主至上主義に逆風が少しずつ
コロナ禍と米中冷戦のダブルパンチで、世界経済の停滞が長引けば、株主ばかりが儲かる株主至上主義に逆風が吹くことが想定されます。
今も少しずつそのような声が聞こえてきています。とりわけ株主重視が行き過ぎたアメリカでその声が高まりつつあり、度を越えた株主還元、株主重視は時代遅れになっていく気配が出てきています。
そうなれば、株価は当然伸び悩むはずです。
引き続き、株式投資は成長株のゲリラ戦でいくしかないと思う次第なのです。
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