小売業における情け容赦なき下克上(ドン・キホーテ絶好調)

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好き嫌いがはっきりと分かれるディスカウントストアといえばドン・キホーテです。ちなみに私は大好きです。何しろいろいろとびっくりするような商品が発見できたりして、見ているだけでも楽しいです。

ドン・キホーテの特徴

ドン・キホーテの創業者である安田隆夫さんはそれを狙っていたようで、買い物にエンターテイメント性を持たせることが戦略の要諦だったようです。

ドン・キホーテの社員は売り場のことを買い場と呼んでいるそうです。お客さん目線で楽しく、掘り出し物を買っていただくという視点から出てきた造語であろうと考えられます。

一昔のドンキは狭い店舗に迷路のように商品を山積みしていてごみごみしたイメージでしたが、最近はメガドンキという業態で広い店舗を展開しており売り上げも好調のようです。しかも、居抜き物件に入るため、コストも安い。

ドンキの特徴は現場への権限委譲が徹底されていることです。ドンキに並ぶ商品の4割は各店舗独自の仕入れで商品の入れ替わりも激しく、それが掘り出し物を探す宝探しの場と化しているのでしょう。

ドン・キホーテの業績動向

業績も好調で28期連続の増収増益を達成しています。最近の新聞で時代の変遷を感じさせる記事がありました。

GMSの老舗、イトーヨーカ堂の売り上げをドンキが抜くのが確実になっているというのです。昭和を席巻したダイエーやイトーヨーカ堂、ジャスコなどといったGMSは今や完全に時代遅れの業態となってしまいました。

専門店やネット通販、コンビニの台頭にもはや太刀打ちできません。

確かに買い物に行っても面白みに欠けています。ただ、用を済まして帰るだけ。それだったら、近隣のスーパーのほうが手軽です。

ユニーとの提携、そして消費増税

最近、ドンキはユニーと提携し、一部のユニーの店舗をドンキ方式に変更しています。変更前に比べ、売り上げが2.2倍になったというから驚きです。

そんなドン・キホーテについて注目すべき点は消費税率のアップです。前回の消費税アップの際、ドンキは大々的に消費税還元セールを行って、売り上げと利益を伸ばしたと記憶しています。

その時の株価の動きをグラフにしてみました。2013年4月のドンキと日経225を100としたときの株価の動きです。消費税アップは2014年4月。日経平均株価の動きを比べ、消費税アップ後の株価が好調であることがわかります。

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次の消費税アップは予定通りであれば、2019年10月に行われます。前回同様、ドンキの活躍が期待されます。

ドンキの創業者、安田隆夫さんは破天荒かつ繊細な方で、会社の経営を世襲することもなく、プロパー社員にその経営遺伝子を託し、まだまだ元気なのに退任されました。安田さんはドンキのことを子どもだと思っていると著書に書かれておりました。尊敬。

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