ドン・キホーテ(PPIH)、圧縮陳列による売場面積当たりの売上

消費増税、新型コロナ騒動の中でもドン・キホーテ(PPIH)(7532)の業績は抜群といえます。
こんな状況でもしっかりと増収増益を確保。なんと31期連続の売上増と営業増益を達成中なのです。
ドン・キホーテと圧縮陳列
ドン・キホーテは、デフレとともに成長してきたといっても過言ではありません。デフレだから成長したのか、インフレだったらもっと成長していたのかは定かではありませんが・・・。
ところで、ドン・キホーテといえば圧縮陳列が有名です。
昨今は、メガドンキという業態が多くなり、さすがにほかのお客とすれ違うのも苦労するほどの圧縮陳列は目立たなくはなっているとはいえ、通常のGMSなどに比べれば、面積あたりの商品数は圧倒的に多いといえます。
そこで、売場面積あたりの売上高の調べてみました。
PPIHの売場面積当たりの売上
PPIHの売場面積は2020年6月期で236万平方メートル。それにしても巨大になったものです。ユニーを買収してから、売場面積は一気に2倍に膨れ上がりました。
売上はおよそ1兆6,800億円となっています。
1兆6,800億円÷236万平方メートル
で計算すると約712,000円となり、1メートル四方で年間約71.2万円を売り上げていることになります。
これがどの程度なのか、業界の常識と比べてみます。
大手GMSとの比較
はっきりした数値はわかりませんが、さまざまなデータを総合的に検証しますと、概ね1メートル四方で50万円前後であろうと推測されます。
ドン・キホーテに買収されたユニーが、ドン・キホーテ型の店舗に業態転換することで、売上が8割以上伸びたことを考えても、圧縮陳列など、ドンキ独自の売場を作ることで売上は倍近くに伸びることがわかります。
単位面積当たりの売上で、ドン・キホーテはイオンやイトーヨーカドーなどに比べて、ゆうに1.5倍以上は売上を上げていると考えられるのです。
不思議な経営戦略
2020年6月期の報告書を読んでいて不思議だったのは、ユニーをドンキ方式に業態転換せず、従来のGMSの枠の中で新たな戦略を図る店舗が一部あることです。
これらの店舗は旧ユニーの社員が中心となって運営されているとのことであり、ドンキとユニーのあまりにもかけ離れた社風を一気にドンキ寄りにすることを避けたのではないかと推測します。
ドンキとユニーの社風は水と油なのです。旧ユニー社員はドンキへ吸収されたことで、かなりの退職者が出たようであり、軋轢が生まれたことは容易に想像できます。激変緩和措置ともいえる妥協策ではないかと思われます。
このあたりの詳細は関連記事(トップ)をご覧ください。
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