中国がコロナ禍で日本国債を買いまくる理由を深読みする

コロナ禍の下、中国が日本国債を買い漁っているといいます。2020年4月~7月の買い越し額は約1.4兆円。前年同期比で3.6倍に伸びています。
そこには一体どんな理由が隠されているのでしょうか。
コロナ騒動真っ只中での日本国債一点買い
2020年4月以降、中国が日本国債を熱心に買っています。
米国債も若干買ってはいますが、伸び率が全く違います。日本国債はなんと前年に比べて3倍以上も買っているのです。米国債はせいぜい3割増し程度です。
ヨーロッパ諸国の債券は売り越しとなっており、欧米の債券から日本の債券へと資金をシフトさせているのです。
日本は世界トップレベルの低金利国。それなのに一体なぜそんなにも買いを入れてくるのでしょうか。
0%金利でも相対的には高利回り
日本の10年もの国債の利回りはほぼ0%です。以下は日本の政府債務、長期金利、インフレ率の推移を表しています。

(出所:「新世紀のビッグブラザーへ」三橋貴明氏ブログ)
政府債務残高が増えても一向にインフレになりませんし、財政破綻どころかむしろ日本の国債は超人気の金融商品です。
世界の投資家は、日本が財政破綻などしないことをよく知っているからです。むしろ、日本人がマスメディアの偏向報道に洗脳されていることを知るべきでしょう。日本はまだまだ財政拡大をして景気対策をする余力があります。なのにしないのは政府の怠慢以外の何物でもありません。
ところで、ほぼゼロ%の日本の長期国債ですが、手持ちのドルを円に交換する際の上乗せ金利を加味すると、利回りは1.2%程度となり、米国の10年もの国債(0.7%程度)よりも高くなるというのです。
利回り格差は徐々に縮まってきているとはいえ、依然として差があるため、米国債を売って、相対的に利回りが高い日本国債を買っているのです。そして、海外で保有される日本国債の約8%を中国が占めるまでに存在感を高めてきています。
元高防止のためという説も
また、中国は新型コロナウイルスの震源地であったにもかかわらず、いち早く経済が復活してきています。
そうなれば当然、通貨(元)の上昇圧力がかかります。元は、ドル、ユーロ、円などで構成される通貨バスケットを参考にして、一定の範囲内で動く仕組みです。
元を売り、円を買えば円高となり、輸出競争力を低下させる元高防止の役に立つというわけです。
本当の理由を深読みする
ここまでは、金利という収益性や、通貨価値のコントロールという金融政策の話です。しかしながら、本当の狙いは別にあると個人的には推測するのです。
中国は新型コロナウイルス発生後の対応を大きく誤りました。隠蔽や虚偽情報の流布、挙句の果てにはアメリカに責任をなすりつけるといったひどい対応を行いました。
当然、アメリカをはじめとして、オーストラリア、ドイツやイギリスなどの欧州諸国も中国には怒り心頭であり、中国政府に損害賠償を求める動きが活発です。しかし、現実問題として、損害賠償を求めても中国が素直に支払うわけがありません。
それは欧米各国もよくわかっています。そこで、考えられた方策は、中国が保有する自国債券の債務をストップしてしまうという策です。要するに、中国が保有する債券を紙屑にしてしまい、損害賠償金と相殺するというわけです。
中国もそんなことをされてはたまりません。そこで白羽の矢が立ったのが、日本国債なのだと考えます。
日本では新型コロナウイルスの被害が欧米諸国に比べて小さいせいか、人が好すぎるせいかわかりませんが、中国に損害賠償を求めようなどという声を聞くことは皆無です。
だからこそ、日本国債ならば持っていても安全だろうというわけなのです。
個人的見解
仮説ではありますが、個人的にはかなりの確信を持っているのであります。仮説が正しいとしたら、日本は本当に舐められたものです。いや、元々舐められていましたが・・・。
ここ10数年、中国の横暴は目に余ります。そして、いよいよ世界は中国に我慢がならなくなっています。
日本は、尖閣諸島を脅かされ、核ミサイルが何百発も日本に飛んでくるかもわからないのにも関わらず、平和ボケで全く目を覚まそうともしません。このままではいずれ中国の属国になる日が来るかもしれません。
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