中国が台湾併合を先延ばしした理由とその後の誤算

台湾



現在、中国が世界の覇権国となりつつあることはご存じのとおりです。中国は、リーマンショック後の巨大な財政出動により、一気に経済的な存在感を高めました。今から10年前には覇権国となる素地を築いていたのです。

拡大する中華思想、その中で中国が台湾の併合を狙っているのもまた周知の事実であります。そして、その軍事力からして、実は10年前には台湾を奪おうとすれば、それは実現可能でした。

しかし、あえて待ったのです。そしてそこにはある戦略があったのです。



中国が台湾併合を急がなかった理由


中国は1990年代からの軍事力増強により、2010年には台湾の軍事的併合は可能な状態でした。しかし、あえてそれを遅らせたのです。焦って台湾を併合する必要はないと。

そこには中国のしたたかな外交戦略がありました。

それまで、中国は牙を隠し、平和的国家であることを世界にアピールしてきました。その目的はただ一つ。世界に中国包囲網を作らせないためです。

しかし、軍事力をもって台湾を併合すれば平和的国家であるという欺瞞が世界にばれてしまうことになります。そうなると当然、世界各国は中国を敵視することになるでしょう。中国は国際的な圧力にさらされ、その後の展開がしにくくなります。

中国の狙いは台湾だけではないのですからそれではまずいのです。台湾はあくまで入り口であり、その後のアジアでの台頭、そして世界覇権の奪取こそが中国の真の狙いなのです。

それには更なる国力の増強が必要でした。台湾を奪取してお終いになるのでは中国の野望は満たされないのです。そのため、あえて台湾併合を急ぐことはしませんでした。

アメリカと互角に渡り合える2020年前後まで待つというのが中国の出した結論だったのです。

中国の誤算。トランプ大統領の登場


しかし、中国のしたたかな戦略に綻びが見え始めたのは、トランプ大統領という強面のアメリカ大統領の登場でした。

トランプ大統領は中国の横暴な貿易慣行や軍事的台頭を許すことなく、今や事態は単なる貿易戦争から新たな冷戦構造へと移っています。トランプ大統領の力を如実に表しているのは、アメリカの株価です。

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トランプ大統領が前回の大統領選に勝ったのは2016年11月8日。まさにその時機からアメリカ株は上昇に弾みがつきました。なにより驚かされるのは株の出来高です。明らかにオバマ大統領時代とは規模が違います。

大手メディアを敵に回しており、日本の新聞やテレビはアメリカの大手メディアの情報を垂れ流すだけですから、日本の報道を見ていても本質をつかむのは困難です。

そして、アメリカは台湾にも強烈なてこ入れをしており、中国の戦略は大きく狂うこととなりました。中国がトランプ大統領の再選を望まないことは火を見るよりも明らかです。

中国の傲慢さ


それにしても中国の台湾に対する姿勢は傲慢そのものといってよいものです。中国は、以下のような事態が発生した場合は台湾に対し、軍事行動をとると明言してきたのです。もはや脅迫そのものです。

・台湾政府による独立の宣言
・台湾での内乱発生
・外国政府による台湾への内政干渉
・台湾政府による中国との統一交渉遅延化
・台湾の核武装
・台湾による中国の分断工作
・平和的な統一の可能性消滅

これらの判断は中国が勝手に下すのであり、判断根拠などどうにでもなります。台湾は強力な軍事力を維持しなければ魔の手はすぐにでも伸びてきます。

まとめ


中国の台湾への軍事攻撃プランは、ミサイルによる軍事施設、通信施設等の重要な拠点の破壊を初期の作戦としています。今から10年以上前から、中国は台湾向けの弾道ミサイルと巡航ミサイルを各数百基保有していました。

台湾にとって、アメリカ大統領選は日本以上に重要なイベントに映っているはずです。何しろ自らの国の今後が大きく左右されることになるからです。

そして、トランプ大統領再選を望んでいる国民が多いであろうことは容易に想像できます。

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