マザーズ絶好調。一方でJASDAQは落ち目。一体なぜ?

迷路



東証マザーズ、JASDAQはいずれも新興市場というイメージであり、その値動きは概ね同じようなものであろうと思っていましたが、実態はそうでもありませんでした。

マザーズとJASDAQは似て非なるものだったのです。そしてその背景には、過去の東証と大証の仲の悪さなど因縁めいたものも隠されていたのです。



マザーズ絶好調、しかしJASDAQは低迷


コロナ騒動にもかかわらずか、コロナ騒動のおかげなのかは明らかではありませんが、新興企業が上場している東証マザーズ市場の値動きが絶好調です。

以下はここ1年のマザーズの値動きです。

●マザーズ
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途中、コロナショック安もあったもののその後は見事なまでに急反発。安値から倍以上に値上がりするという堅調ぶりです。その好調さは日経平均の動きと比べてみれば歴然とわかります。

●日経平均
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コロナショック安から立ち直ってはいますが、コロナ前の水準を超えるまでには至っていません。

さて、問題のJASDAQ市場はどうでしょうか。以下はJASDAQ指数の値動きです。

●JASDAQ指数
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概ね日経平均と似たような動きだと理解できます。

マザーズ好調の理由


なぜここまで値動きに違いが出ているのでしょうか。それにはいくつかの複合要因があります。

まず、11月に控える大統領選の行方です。今のところ情勢ははっきりせず、もしバイデン大統領誕生などということになれば株価にとって逆風となると推測します。

市場では、新大統領が決まるまで主力株を積極的に売買するのは控えようという動きが広がっています。

とりわけ機関投資家にその傾向は顕著であろうと思われます。

また、マザーズ市場には新興のIT企業が多く上場しているという点が特徴的です。菅政権はデジタル庁などを作るとしており、IT産業には「国策」という追い風が吹いています。

「国策は買い」といいます。そして、IT企業がひしめくマザーズ市場に個人投資家を中心としたマネーが流れ込んでいると考えられます。

JASDAQ低迷の理由


ところでJASDAQ市場はなぜマザーズのように上がらないのでしょうか。

JASDAQは意外なほど歴史があり(50年以上)、もはや新興市場とは言い難いというのが実際のところです。上場後20年以上も経過したような企業がゴロゴロと転がっており、IT企業が占める割合はマザーズに比べて格段に低い。

端的に言ってしまえば時代遅れの銘柄が多いということです。値動きは当然大型株と似た動きとなるというわけなのです。

過去の因縁を今に引きずる


全く別要因として、マザーズとJASDAQの立ち位置の違いという影の側面も存在します。

2013年に、東京証券取引所グループと大阪証券取引所が経営統合され、日本取引所グループ(JPX)が誕生しました。それまでは東証がマザーズを運営し、大証がJASDAQを運営していました。

ところで、東証と大証は非常に仲が悪く、険悪な関係であったことは有名な話です。経営統合したとはいえ、力関係は当然、東証が圧倒的に上です。

そして、過去の因縁が今に引き継がれているのが、東証1部昇格のための上場基準です。マザーズは40億円で済むのに、JASDAQはなぜか250億円。あからさまな差別であり、JPXがJASDAQを軽視していることは明らかです。

こんなこともJASDAQ低迷の間接的な要因になっているのだろうと考えられます。

因縁もようやく解消の道へ


しかし、いびつな市場構造もようやく見直しの手が入りつつあります。2020年11月には、まず東証1部への昇格基準が統一される見込みです。

その他にも市場構造は大きく変更になりそうであり、投資家はもとより上場企業にとっても、市場の再編は大きな関心事となっています。

JPXにはとにかく投資家目線での再編を行っていただきたい。魅力ある市場でなければ投資家は去り、株価が下がってしまいます。

JPXの今後の市場再編が投資家にとってメリットを生み出すものとなることを期待します。市場再編の詳細は関連記事をご覧ください。

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