高い手数料でロボットに投資を任せ、複利メリットを放棄する愚行


なにやらAIやらロボットアドバイザーやらにお金を預けて投資運用を一任するサービスが人気を博してきているようです。
しかしその実、投資した金額からは高い手数料が引っこ抜かれ、残ったお金で運用をしていくのです。手数料は年率にして1%程度のところが多いようです。
主な投資一任契約について見てみることにしましょう。
ウェルスナビ
ウェルスナビ株式会社が提供する投資一任サービスです。ウェルスナビ社は設立が2015年4月とまだ5年足らずしか経っていませんが、業界トップにのし上がりました。
手数料は年率1%(税別)となっています。
ただし、3,000万円を超える部分は0.5%と割安となります。そんな人は滅多にいないとは思いますが・・・。
THEO
株式会社お金のデザインが提供する投資一任サービスです。お金のデザイン社も設立は2013年8月と非常に若い会社です。
業界2番手グループの会社です。
手数料は、積立や出金実績など利用状況に応じて、通常年率1.00%(税別)の手数料が最大0.65%まで引き下げられます。
楽ラップ
楽天証券が提供するサービスです。上記2社は投資一任サービスに特化した会社であるのに対し、こちらは商品ラインアップの一つとして提供されています。
手数料体系は2つに分かれており、固定報酬型ですと、年率最大0.715%(税込)となっています。ただし、それとは別にファンド費用が最大0.248%かかるとされており、概ね1%程度と考えてよさそうです。
一方、成功報酬型の手数料体系があり、固定部分として、0.605%、成功報酬として運用益の5.5%。それに加えて上記のファンド費用がかかります。
ON COMPASS
マネックス証券が提供するサービスです。こちらも楽天証券同様、商品ラインアップの一つとして提供されています。
手数料は年率0.925%(税抜)となっています。
この低金利下に手数料高すぎ・・・
ロボットが投資判断するならば、そんなに費用はかからないはず。それなのにどこのサービスも概ね年率1%程度の手数料がかかります。
ロボアドバイザー投資をする人は若い人が多いと思いますから、必然的に長期投資となる傾向が強いと思います。となれば、複利効果が非常に大きくなります。余計なコストは投資リターンにもろに響いてきます。
仮に1,000万円を30年間運用したとして、1%の違いがどれくらいの差をもたらすのでしょうか?以下をご覧ください。

30年間で1,000万円以上の差がつくことになります。毎年毎年1%もの手数料を払っていたら、大事な運用資金をドブに捨てているようなものです。
少し勉強すれば、今ならネット証券で手数料はほとんど無料で株式を買うことができますし、信託報酬が年率0.1%程度の投資信託がゴロゴロ転がっています。
AIとかロボットとかという言葉に惑わされ、余計なコストを払うことは愚かな投資家のすることでしょう。
長い投資期間を確保できるのならば、節税メリットの大きいイデコが第一選択肢、その上で、NISA口座による運用が第二選択肢となると考えます。
そのうえで、いろいろ試してみたいという人は上記のようなサービスの利用も選択肢の一つにはなると思いますが、多額の手数料が中抜きされ続ける事実を把握しておく必要があります。
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