EUは結局絵にかいた餅。最後の砦は国家であることがまざまざと示される

過去の悲惨な戦争を繰り返してはならじと、人、モノ、金の移動を自由にし、平和な理想郷を求めたEU。
そこでは、まるでさまざまな国家が連帯し、一つの国家のように運営されるはずだったのですが、それは幻想であったことを新型コロナウイルスが明らかにしてしまいました。
EUの特性とその広がり
ドイツ、フランス、イタリア、スペインといった国々が中心となって構成されるヨーロッパ諸国の共同体、EU。主権国家としての基本を保ちつつも、EU加盟国の国民はEU域内であれば自由に行き来できます。
EUは、西ヨーロッパ諸国から東ヨーロッパ諸国にまで広がりを見せており、今では加盟国は27か国にもなりました。
EU加盟国家の主権は弱められ、そこではまさにグローバリズムが進んでいます。
EUを揺さぶる貧富の格差
しかし、ヨーロッパ諸国内でも富める国とそうではない国があります。貧しい国からは経済的な魅力を求め、富める国へ移民が多数流入してきました。
以下は主要国の移民人口の比率の推移です。

(出所:社会実情データ図録)
そして、富める国の労働者は移民との労働競争に巻き込まれ、高い失業率に悩まされるというジレンマに陥ったのです。
以下はEU諸国の国民によるEUの評価です。

(出所:社会実情データ図録)
移民人口比率と相反するように右肩下がりとなっています。EU諸国民にとって、EUの評価は低くなる一方だったのです。
その不満が頂点に達し、イギリスはついにEUから離脱しました。
あまりにも脆かった連帯意識
最後のトドメは新型コロナウイルスでした。
まず、イタリアがウイルスの被害を大きく受け、フランスやドイツに援助を求めたのです。仲間としては当然でしょう。しかし、フランスもドイツも自国のことで精一杯だったのです。イタリアの援助にまで回る余裕はありませんでした。
そして、さらにはイタリアからの入国を禁止したのです。EU内は自由に行き来できるはずだったのに、あっさり反古にされました。
その後の防疫、医療体制もEUとして団結した対応はまったく無く、国境を封鎖してもっぱら自国の対応にあたる姿しかありませんでした。
そこにはグローバリズム、EUの連帯といった綺麗ごとはなく、自国のナショナリズムこそが頼りでした。
まとめ
新型コロナウイルスは、グローバリズムからナショナリズムへの大変換をもたらすことになりました。困ったときには結局のところ自国しか頼りにならないことをウイルスは再認識させることになったのです。
グローバリズムは詰まるところ、ナショナリズムの土台のうえに成り立つ脆弱な基盤であると感じざるを得ません。
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