SBI証券、楽天証券が松井証券、auカブコム証券をつぶしにかかる

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消耗戦もここまでくるとは予想だにしていませんでした。もはや集団自殺に近いチキンレースの様相です。ネット証券の手数料引下げ競争が歯止めなく進行しています。

一利用者として、安くなるのは良いことですが、このまま引下げ競争が続けば、会社自体の存続が危うくなるのでは?と余計な心配をしてしまうほどなのです。



SBI証券の動向と狙い


ネット証券最大手、SBI証券は2020年10月1日から、1日の売買代金が最高300万円まで無料にしました。具体的には、現物株、制度信用取引(※1)、一般信用取引(※2)がそれぞれ100万円まで無料となっています。

2020年9月末までは合計150万円までが無料であり、その枠を2倍に引き上げたわけです。

無料範囲を拡大することで、他社の顧客を奪い、規模を拡大させて信用取引の金利収入など、安定収入基盤を拡大する思惑があります。

新型コロナウイルスの影響でテレワークが定着したことに伴い、3月以降、ネット取引が急増しており、一気に顧客を増やそうとしていると考えられます。

(※1)制度信用取引
取引できる銘柄、借入れた現金や株式を返済する期限は最長6か月などが、取引所規則により決定されている信用取引。

(※2)一般信用取引
取引できる銘柄、借入れた現金や株式を返済する期限などを投資家と証券会社の間で自由に設定できる信用取引。


楽天証券も追随の動き


ネット証券業界で、SBI証券と双璧をなす楽天証券もSBI証券の動きに追随します。

2020年12月より、現在の無料枠を2倍に拡大し、1日の現物株と信用取引の合計売買代金が100万円までの手数料を無料化する方針です。

業界3位のマネックス証券もこの引下げに追随していく気配です。

2番手グループは静観の構え


さて、業界の2番手グループ、松井証券、auカブコム証券はこの動きに戸惑いを見せているようです。松井証券は現状、態度を保留しており、今後の対応は未定です。auカブコム証券も対応は未定です。

このままトップグループの動きに追随していけば収益が激減してしまうという危惧があるものと推察します。

SBI証券と楽天証券は強力な顧客基盤で、他社を振り落としにかかっています。マラソンでいえば35キロ地点で、いよいよ2社がラストスパートをかけたといった感じです。

驚くのは岡三オンライン証券の動き


3番手グループの岡三オンライン証券は設立後、13期連続赤字で2020年3月期にようやく黒字化にこぎつけました。その岡三オンライン証券もSBI証券の動きに追随し、2020年11月から無料化枠を現在の2倍の100万円に引き上げます。

せっかく黒字化しましたが、下手したら再び赤字に転落するかもしれないのに思い切ったことをするものです。稼働率を上がれば収益は増えると読んでいるようですが、本当にそうなるかは微妙です。

もっとも岡三オンライン証券は岡三証券グループの一社であり、実質的な親会社でもある岡三証券が稼いでくれれば、グループとして支えることができるという強みはあります。

まとめ


それにしても、差別化のできないサービスは低価格競争に陥らざるを得ないということの典型例がネット証券業界です。

そして、結局のところ規模の論理が価格競争のリーダーシップを取ることになります。下位グループはトップグループの戦略に振り回され、体力を消耗していきます。

下位グループとしては、なんとか差別化できる点を探して生き残りを図っていくほかありません。

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