ホテル稼働率上昇中。Jリートも回復基調、しかし東京はダメダメ

ベッド



GoToトラベルの影響か、ホテルの稼働率は依然として低迷しているとはいうものの、徐々に回復の芽が見えてきました。

とはいえ、新型コロナ騒動前の状態に戻っているのではなく、いささか趣が異なった回復なのです。



2020年9月のホテル稼働率


イギリスの調査会社の調査によれば、2020年9月の日本のホテル稼働率は39.5%となり、前月比で8.3%上昇しました。

緊急事態宣言が出されていた4月から5月にかけては20%を割り込んでおり、最悪期からは倍増したということになります。

ホテル型Jリートもよちよち歩きながら回復基調を維持しています。以下は代表的なホテル特化型のJリート、インヴィンシブル投資法人 (8963)の値動きです。

20201021inv.jpg

そして以下は、東証リート指数の動きです。

20201021reit.jpg

比べてみればわかりますが、最悪期からの戻りはホテル型のほうが鈍いとはいえ、ここ最近だけを見ればホテル型のほうが指数を上回っています。

これはホテル業界の回復基調が投資口価格に反映しているものと考えるのが普通だろうと思います。

稼働率は上がっても客単価が・・・


稼働率は上がっているとはいえ、このような経済状態です。客単価がコロナ騒動前の水準で維持されるわけがありません。

平均客室単価は前年同月比でマイナス16.4%とかなりの安さとなっています。それでも5月以降マイナス幅が縮小しつつあり、一筋の明かりが差してきたとはいえそうです。

東京の戻りがひどく鈍い


それにしても特徴的なのは東京の低迷が目立つことです。東京と全体の動向と比べてみましょう。

2020年9月のホテル稼働率
・全体 39.5%(前月比+8.3%)
・東京 23.4%(前月比+3.4%)

2020年9月の平均客室単価
・全体 11,737円(前年同月比-16.4%)
・東京 13,764円(前年同月比-27.5%)

東京は稼働率が低いうえに戻りも鈍く、それゆえに単価の下落も大きくなっており、不振から抜け出すことができていません。

最後に


2020年6月には東京の人口が前月比で減少するなど、首都圏集中型の経済、社会システムに変調が現れています。

日本は2010年頃から人口が減少しているにもかかわらず、首都圏人口は右肩上がりを続けるという、いびつな動きを続けていました。以下は主要国の人口増減と首都圏の人口増減を示しています。

20201021jinnkou.png

20201021syutoken.png
(出所:社会実情データ図録)

首都圏人口の減少が短期的な現象に終わるのか、それともトレンドが変わったのかまでは現状では判断しかねるところです。

しかし、新型コロナは今後の社会に不可逆的変化をもたらしつつあることは間違いないとみます。そして、首都圏集中型の経済システムから、地方分散型の経済システムに移行していくだろうというのが個人的予想であり、またそれが望ましい姿だと思います。

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