日経平均急上昇。しかし、売り方の買戻しだと見る

混沌とするアメリカ大統領選。前回の世論調査が大外れだったため、今回も当てにならないと思っていたら、反省したのか世論調査は多少改善されたといえそうです。
この混乱の中で、しかもコロナ騒動が続く中、日経平均が年初来高値を付けて、24,000円台に乗ってきました。これをいったいどう見たらよいのでしょうか。頭の中に不協和音が鳴り響きます。
出来高をともなわない上昇
多くの投資家はこの上昇には懐疑的ではないでしょうか。それを端的に表しているのが出来高です。

チャートを見れば明らかなように出来高が細る中での上昇です。熱狂的な上昇ではありません。
買わざるを得ない人が買っているとしか思えないのです。考えられるのは売り方の買戻しです。
大統領選を前に、ヘッジあるいは投機的に売りを仕掛けていた投資家が思い通りに下がらない株を焦って買い戻していると考えるのが普通ではないでしょうか。
興味を引く天井の壁
2017年以降、株価が24,000円台を超えた局面は3回ありました。いずれもそこが天井となり跳ね返されています。
まるで見えない壁があるかのようです。そして、今回もその壁は打ち破れないと見ます。当ブログ管理者が勝手気ままに考案した疑似バフェット指標でも、過去40年間の名目GDPと株価との関係性から許容できる高値は24,800円ほどであり、ほぼ天井圏です。

(疑似バフェット指標についてはこちらをご覧ください。)
厳密にいえば約7割の確率で、株価は24,800円を超えないということになります。
これ以上上がる可能性は低いということは・・・。必然的に下げるしかないということです。それがいつになるのか、いくらまでかは神のみぞ知り得ることです。
逆ウォッチ曲線から見る現状
逆ウォッチ曲線をご存じの方も多いと思います。
出来高は株価に先行することが多く、株価が上昇して下落していく過程を曲線にするとその動きは時計と逆方向になることから逆ウォッチ曲線と呼ばれています。
図に表すと以下のようになります。

今の局面は③だと考えられます。
現実のチャートを見てみますと、真円というよりも左上に伸びた楕円に近い動きに近いようです。株価が底をつけるときに出来高を伴うことが多い感じです(いわゆるセリングクライマックス)。

(拙いイメージで恐縮です。)
今後の投資戦略
約7割の確率で天井に近いことが示唆されていると考えられることから、日経平均と相関が高い銘柄ほどポジションを少なくするのが妥当ではないかと思います。
買うよりも売るほうが勇気も要りますが、ときには勇気を奮い立たせるほかない。
過去3回の経験則から、天井をつけた後、3か月から半年以内には買いのチャンスが来そうな気配です。今回に当てはめれば来春あたりということになるのでしょうか・・・。今はいったん現金を増やして、来春のチャンスに備えるというのが妥当な線だと思われます。
(あくまで私見です。投資は自己責任でお願いします!)
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