生き残れる金融機関、淘汰される金融機関。その違いは・・・

オフィス



金融機関を取り巻く環境は激変しております。ただし、一口に金融機関とひとくくりにすることはできません。

金融機関は大きく3つの形態に分けることができます。そして、その形態ごとに生き残りのための条件は異なっているのです。



金融機関を分ける3形態


金融機関に限りませんが、現代の社会において、商売をするチャネルは2つに分けられます。「対面・対話型」「ネット型」です。

そして、商売の形態は3つに分けられます。

1.対面・対話型のみ
2.ネット型のみ
3.対面・対話型とネット型の併存

形態ごとに求められるものは大きく異なってきます。

各々の形態に求められるもの


各形態ごとに求められるものは概ね以下のようにまとめられると思います。

1.対面・対話型のみ
・高度なコミュニケーション能力
・高度なコンサルティング能力
・高度なアフターサービス能力
・無理な営業をしなくても黒字を維持できる能力

2.ネット型のみ
・圧倒的なコストパフォーマンス
・圧倒的な商品数
・高度なセキュリティとシステム安定性

3.対面・対話型とネット型の併存
・1と2の両方

非常に難しい対応を迫られるのは3型です。

どちらかに注力すれば片方が否定され、競争力を失います。バランスを保つしかありませんが、その保持は難しい。1型と2型は特化型といえますから、その能力を先鋭化させています。

2つの市場で、特化型に勝利することはかなりの困難をともなうことになるはずです。

淘汰される金融機関


上記が満たされない金融機関といってしまえばそれまでですが、キーワードでまとめてみます。

1.対面・対話型のみ
・押し売り型のはめ込み営業に依存
・顧客の質問にもまともに答えられない低レベル
・売れば売りっぱなし
・顧客の真の求めを察知できない洞察力の無さ

2.ネット型のみ
・ネットなのに高コスト
・ネットなのに商品数が少ない
・システムが不安定
・セキュリティレベルが低い

3.対面・対話型とネット型の併存
・どっちも中途半端


最後に


もはや求められるものは明らかです。対話型の金融機関は「人」を徹底的に育てなければなりません。新入社員が戦力となるまで10年は見ておかなければならないと思います。その間、会社は我慢して育てていくほかありません。

特に最近の若者は、引きこもり型の生活スタイルであり、人とのコミュニケーション能力が昔に比べて劣っているように見えます。知識を詰め込むことはできても、コミュニケーション能力をどう高めていくかは大きな課題です。

ネット型はとにかくシステムが命です。いかに優れたシステムを安上がりで作り、改善し続けることができるか。それがコストパフォーマンスに直結します。

対話とネットが併存している会社はいかにバランス配分をするかが重要です。場合によっては片方は捨てることも必要になるかもしれません。

金融機関の生き残り競争は今後もしばらく続きそうな気配です。

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