株は奇妙な上昇、自殺者(2020年10月)は必然の増加

強気相場は、悲観の中に生まれ、懐疑の中に育ち、楽観の中で成熟し、幸福感の中で消えていくといいいます。
日経平均はバブル崩壊後の高値を付けています。今の株式市場はまさに懐疑の中に育っているかのようであり、出遅れた投資家の焦りがさらにそれを加速しているかのようです。
海外市場での日経平均先物の急上昇
全く驚かされたのは、2020年11月9日日本時間深夜における日経平均先物取引の急上昇でした。
CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)では高値25,475円までつけ、これまでの壁となっていた24,000円近辺を一瞬にして突き破りったのです。その後はさすがに売られ、25,150円で終わりました。
買いの主体と見られるのは海外のヘッジファンドです。コロナ騒動の終息を見据えた景気のV字回復がその原動力と見られます。
皮肉なのは景気回復の原動力となっているのは新型コロナウイルスの生みの親、中国であるということです。いち早くコロナ禍から脱出しつつある中国市場では自動車販売も急回復しています。
これだけの災禍をもたらしながら、いけしゃあしゃあとしている中国に苦虫をつぶしているのは私だけではないはずです。世界中の人々が苦々しく思っているはずです。
日本の機関投資家は完全に乗り遅れ
一方で、日本の機関投資家は大統領選の混乱で慎重姿勢を崩さず、急激な上昇から完全に取り残されました。
海外の大手証券が日本株を買い越す中、その売り手は日本の証券会社となっています。日本の機関投資家の日本株の持ち高は前回の大統領選時を下回っており、資金は安全資産に逃避しています。
その分、買い余力は大きいともいえますが、今から波に乗って間に合うかどうかが問題となります。
銘柄にもよりますが、今からインデックス型の投資を行うのはいささか危険と思わざるを得ない。25,000円超は明らかに割高水準だと見ます。
ただし見誤ってはいけないのは、もはや日本株の値を決めるのはもはや日本人投資家ではないということです。海外投資家が今後もブルドーザーのように買い進める可能性は否定できません。しかし、彼らは資金の引き上げも早い。下がり始めればクモの子を散らすように逃げていくはずです。
高値追いに一緒についていったら、損切りが苦手な投資家は高値で取り残されることになると思います。
2020年10月、自殺者急増。明らかな情勢変化
ところで、警察庁から2020年10月の自殺者数が発表されました。これまでとは明らかに違う傾向を示しています。

前年同月比で約4割増と急増したのはもちろんなのですが、グラフを見ればわかるように2020年4月以降、右肩上がりの傾向を示しており、10月に急増しました。
この増加が年内も続くとなると、悪夢の民主党政権時の自殺者数に戻ってしまいそうです。政府は財政支出を惜しんではなりません。政府はさらなる財政拡大、消費減税あるいは凍結をしなければ容易にこの傾向は変えられないと見ます。
アメリカや日本、イギリスのように自国産業が発達し、かつ自国通貨を持つ国は財政的制約はありません。経済運営はいかに高インフレにならないように管理すればよいだけです。
しかし、財務省を中心とするプライマリー・バランス黒字化などという前近代的で無意味な価値観に基づいて経済運営をすれば自殺者が増加することは明らかです。
現代貨幣理論(MMT)に基づく経済運営がなされるべきときが来たと考えます。MMTの第一人者であるステファニー・ケルトン教授が出された最近の著書にその辺が詳しく書かれております。
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最後に
2020年11月11日現在、日本で新型コロナウイルスにより亡くなった方は約1860人。それを10月だけで軽く上回る自殺者数・・・。
自殺者の中には間接的にコロナに殺されたといえる人が多数含まれていると考えるのは私だけではないでしょう。
朝まで生テレビで、かの有名な竹中平蔵氏は、「首を切れない正社員なんて雇えないでしょう、普通。」などと発言されていたとか。とんでもないことです。
過去の遺物のような経済学を振りかざす政商には、政治に近づいてもらいたくないというのが個人的見解です。もちろんそれは多くの死を招くからです。
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