金融機関の顧客本位営業は胡散臭さがつきまとう

オフィス



金融商品は顧客と販売業者との情報格差が大きい商品の一つだといえるでしょう。そして、多くの金融機関はその情報格差を利用し、顧客から不当に手数料を搾取してきました。

そして、それは今なお少なからず続いています。金融庁もそんなことは百も承知であり、業を煮やした末に導入されるのが新たな「金融サービス仲介業」というわけです。

しかし、だからといって問題が解決するとはとても思えないのですが・・・。



金融サービス仲介業とは


金融サービス仲介業とは総合的に金融商品の販売を仲介できる業者をいいます。

現状では、銀行業務の代理店をするには銀行代理店としての登録、証券業務の仲介をするには金融商品仲介業の登録、そして保険の代理店になるには保険募集人としての登録、と縦割り行政であり、それぞれ別の手続きが必要です。

これをひとくくりにしたものが金融サービス仲介業です。金融サービス仲介業者はワンストップでさまざまな金融商品を顧客に提供することができます。

なお、あくまで仲介業である以上、顧客から直接お金を預かることはできません。

政府がイメージする金融サービス仲介業


政府がイメージしているのは、スマホアプリなどでワンストップ型のサービスを提供する新興フィンテック企業のようです。

新たに創設されるデジタル庁とも親和性が高いといえます。

しかし、新たに参入するのはIT企業ばかりとは限りません。対面販売で行き詰っている証券会社なども証券会社の看板を下ろし、金融サービス仲介業になる可能性もあります。

システム開発などが要らなくなる分コストが低くなり、経営上のメリットもあるでしょう。それはそれで結構なことなのですが、会社名や扱う商品が変わるだけでそのメンタリティーが変わるとも思えません。

突然、顧客本位でございますとはなかなかいかないはずです。

あいも変らぬはめ込み型の営業が進められる可能性は高く、根本的な解決とは言い難いというのが個人的見解です。

真に顧客本位を目指すなら参入障壁を上げるべき


金融機関も民間企業である以上、利益を上げなければならないし、赤字が続けば倒産してしまいます。そもそも、金融機関のみならず、販売側と顧客は利益相反の関係にあるのですが、金融商品の場合は情報格差のためにそれが表面化しにくい。

それゆえに顧客は金融機関に利用されがちなのです。

金融機関の社員も好んでそんなことをやっているのではないはずですが、数字に追われてやらざるを得ない。それが実態でしょう。

今後、新たに参入する企業は金融業務で赤字が続いても、強い本業を持っている企業に限定すべきだと思います。赤字でも悠然として、顧客の立場に立ってサービスを提供するならば、利益度外視でなければできません。

そのためには他の本業で黒字を続けられることや、強い財務基盤が必要です。そのような企業でなければ金融サービス仲介業に参入できないとすれば、顧客本位の営業は根付いていくでしょう。そして、悪徳業者は淘汰されるのです。

最後に


証券業界は20年以上前から、フロー型の収益モデルからストック型の収益モデルを目指し、預かり残高を増やすなどと言ってきましたが、今だ実現しません。

投資信託の信託報酬が安くなっている今日ではもはやそんなモデルは構築不可能であるというのが率直な感想です。

そうであるならばプレーヤーを入れ替えるか、ビジネスモデルを変えることでしか根本的な解決策とならないことは容易に想像できます。

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