世界中株高。バフェット指標は語る(2020年12月)

新型コロナウイルスに翻弄されているにもかかわらず、世界の株式市場が活況を呈しています。
世界の上場株式の時価総額は、このような環境にもかかわらず、歴史上初めて100兆ドルの壁を突破しました。いったい今何が起こっているのでしょうか。
株価が高い要因
なぜ今、株が世界的に高いのか?要因は2つに絞られます。
・ワクチンへの期待
・世界的金融緩和と大規模財政出動
・世界的金融緩和と大規模財政出動
ワクチンが実用化されてきたことで、経済の正常化に期待が高まっています。また、各国ともに大規模な金融緩和と財政出動を行っており、市場にだぶついたお金が株式市場に回ってきていると考えられます。
財政破綻論の嘘が暴露され、自国通貨を持つ主権国家ほど大胆な経済政策を取ることができるため株価の上げも目立つようです。
ここ最近、日本経済新聞などで、やたらと財政規律が緩んでいるなどと牽制球を投げていますが、デフレ時には財政規律を緩めなければ仕方がないのですから、まったく的外れな指摘といわざるを得ません。
もはや、日本やアメリカ、イギリスなどといった変動相場制のもと、主権通貨を持つ国が財政破綻をすることなど不可能であることは明らかになっているのに今だ過去の亡霊を恐れている時代錯誤な考え方です。
時価総額は未踏の水準へ
世界の株式時価総額は2020年12月半ば、100兆ドルを超えました。日本円にすると1京円をゆうに超えるという途方もない金額です。
コロナ騒動前の2019年末よりも17%も増えています。株価が急落した3月には60兆ドルを割り込みましたが、そこから倍近くまで戻しました。
好調な業種と不調な業種
コロナ騒動による生活の一変により、追い風が吹いて爆上げした業種もあれば、逆風に吹かれ沈んでいる業種もあります。
好調なのはやはりIT関連株。そのほかには電気自動車関連株やゲーム関連株などが好調です。またヘルスケア関連株は当然好調を保っています。
一方で不調なのはエネルギー関連株。ロックダウンなどで人の移動が止まり、石油の需要が減っています。また、時代の流れが一気に電気自動車に流れていることも悪材料となっています。
好調な国と不調な国
国によっても好不調があります。好調なのは中国。コロナ騒動を引き起こした国なのにもっとも好調であり、少々頭に来るというのが率直なところです。
そして、各国が苦しんでいることをいいことに世界の覇権を一気呵成に奪い取ろうとしているかのようです。株式時価総額は1年前に比べ、約5割増しとなっています。
アメリカも好調です。IT産業が発達しているだけにその恩恵を受けており、1年前に比べ約2割増しとなっています。
ちなみに日本は1割増しの7兆ドル。中国に株式時価総額でも大きく負けているのが実態です。
不調なのはヨーロッパ諸国。時価総額の伸びは6%にとどまっています。やはり、ユーロの存在が大きい。ユーロ加盟国は主権通貨国ではないため、勝手にユーロを発行することができず、財政政策にも歯止めがかかってしまうためであろうと推測します。
バフェット指標から考える
世界のGDPは約83兆ドル。株式時価総額はそれを約2割も上回っており、過去に例のない水準です。これまで、株式時価総額はGDPを下回る水準で推移しているのが普通でした。
バフェット指標では株式の時価総額がGDPを超えると危険水域に入ったと考えます。
今の株価水準は明らかに危険な領域に突入しており、今後の金融政策によっては株式市場の急激な調整があるかもしれません。今は安全運転が必要な時期であろうと考えられます。
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