現代貨幣理論(MMT)の名づけ親、ミッチェル教授が日経新聞に登場

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現代貨幣理論(MMT)の提唱者の一人であり、その名づけ親でもあるオーストラリアのニューカッスル大学のミッチェル教授が2020年12月22日の日経新聞に登場していました。

日本の代表的なマクロ経済学者の一人である竹中平蔵さんが財政均衡論の誤りを指摘するなど、財政運営の考え方が新型コロナウイルス騒動の中、大きく変わりつつあります。

ミッチェル教授の主張をまとめておきたいと思います。一部個人の意見も入っておりますのでご容赦ください。



主流派経済学の主張に綻びが


度重なる金融危機や今回のウイルス騒動など、パニックが起こるたびに主流派経済学での対応では危機を乗り越えられないといった難題が浮き彫りとなっています。

そして注目されているのが、ポストケインズ経済学ともいえる現代貨幣理論です。最近では政府の経済運営を金融政策よりも財政政策に重点が置かれつつあります。

国際通貨基金(IMF)も政府の債務を中央銀行が引き受けることで財政拡大が容易になることを認めており、それが昨今の低金利にもつながっています。

中央銀行が政府債務を積極的に引き受けることで、金利上昇を避けつつ財政出動するというわけなのです。

主流派経済学の敗北


MMTの主張は主流派経済学の主張とは真っ向から対立します。

主流派(もはや主流派という言葉は適切ではないが)経済学者たちは、財政赤字や政府債務の増大、中央銀行による国債の買取に対し、オオカミ少年のように警鐘を鳴らしてきたが、結局のところそれは全くの的外れでした。

日本の経済状況は示唆に富む


バブル崩壊後の日本の状況は、財政のあり方を考えるにあたり大変、示唆に富んでいます。

日本はバブル崩壊の傷を癒すために財政赤字を続け、政府債務を増大させてきました。

黒田日銀総裁後、異次元金融緩和により大量の国債を日銀が買い入れています。そのため、いくら国債を発行しても金利は一向に上がることはありません。

主流派経済学者たちは金利が上昇してインフレが加速すると予想し、財政破綻を煽りましたが今や竹中さんが指摘するとおり、財政破綻論は見事に誤りであったことが明らかとなっています。

根本的誤りが不幸を招いた


主流派経済学には根本的に間違っています。

しかし、家計と国の財政のあり方を同一視する財務省やマスコミ、政治家により誤った経済運営と正しい経済運営が混在しているため、日本は今だデフレから脱却できません。

バブル崩壊後の悲劇


1990年以降、株価は一気に暴落していきます。バブル崩壊を受け、政府は公共事業を増大させました。(下図の赤丸部分)

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(出所:社会実情データ図録(一部加筆))

しかし、いくらやっても思ったように効果が出ない。一方で政府債務は増えていく。焦った政府が路線変更をしたのが1997年です。

1990年代前半の日本の政策は間違っていませんでした。ただ規模が小さかっただけです。

本当ならばさらに規模を拡大すべきでしたし、減税を推し進めるべきだったのに真逆の政策を進めてしまったためにデフレが深刻化したととらえることができます。

デフレ脱却まではどんなに財政赤字が拡大しても政府債務が増加しても気にすることなく、積極財政を打たねば日本の復活はありえません。

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