強気と弱気が交錯。2021年の相場を主要証券が占う

それにしても相場が強い。まるでコロナ騒動が追い風になっているかのようです。そして2021年はどんな年になるのでしょうか。少なくとも今年よりは良い年になってもらいたいものです。
ところで、主要証券会社による2021年の相場見通しが出そろったとのこと。各社はどのような見方をしているのでしょうか?
強気派の見方
最も強気な予想をしてきたのは業界の雄、野村証券です。日経平均の高値を30,500円と予想しており、バブル崩壊後の高値を更新するという強気な見方です。
そのほかにもJPモルガン、大和証券、クレディ・スイスが高値3万円超えを予想しています。
強気派の予想する安値は2万4千円から2万6千円程度となっており、調整があっても大したことはないと見ているようです。
弱気派の見方
一方で、弱気派の代表はみずほ証券です。今の上昇相場は続かないと見ており、春先に天井を付けた後、下落に転じ、秋には2万2千円程度までの下落を予想しています。
そのほかにも三菱UFJモルガン・スタンレー証券も下値を2万2千円程度と見ており、調整を覚悟しているようです。
弱気派が予想する高値は2万8千円程度ですので、現状の水準からほぼ上がることはないと見ているといってよいでしょう。
2021年の好材料
強気派の根拠として景気回復があげられます。
大和証券では、2021年度の日本企業の業績は4割増益、2022年度も1割増益と予想しており、金融相場から業績相場へ移行するものと考えているようです。
野村証券も景気回復を背景とし、2020年と同程度の株価尺度を維持できると考え、相場全体が一段と上昇すると見ているようです。
2021年の懸念材料
一方で、弱気派が懸念する材料として、現状の株価はすでに割高であり、上昇余地は少ないといった見方をしているようです。
株価が実体経済の戻りに先行して上がってしまったため、PERなどの投資尺度は割高となっており、実体経済が好転しても株価は上がらない、あるいは下がるという見方です。
また、アメリカの景気回復が金利上昇を招き、株式市場に流れ込んでいた資金が債券に戻るという見方もあります。
個人的には・・・
個人的にはみずほ証券の見方に賛同します。
チャートで見ても2万4千円あたりに窓が空いており、これを埋めてくる可能性が高いと見ます。

また、バフェット指標からみても株価には過熱感が出ていると感じます。

唯一、予想外の上げがあるとすれば、外国人投資家による怒涛の買付しかないと思います。
日本の投資家は今だバブル崩壊の悪夢から覚めておらず、高値を追っていくだけの勇気はありません。
しかし、恐いもの知らずの外国人投資家が買い上がっていく可能性は少ないとはいえ、ゼロではないため、持たざるリスクも考えておかねばなりません。来年は丑年だそうで、思わぬ「ブル」相場になるのかも・・・。
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