ロボアドバイザー投資もコストが重要。投信工房が気になる・・・

ITの進歩にともない、ロボットアドバイザーによるお任せ運用が人気を上げてきています。昨年(2020年)12月22日には業界最大手のウェルスナビ(7342)がマザーズ上場を果たしました。
金融業界にとってロボアド分野は今後も高い成長が見込める有望な投資先です。さて、今後の日本市場でのロボアド投資はどのように成長していくのでしょうか。
ロボアド投資サービスが急成長
ロボットによる自動投資運用サービスが急成長を遂げています。
大手4社(ウェルスナビ・お金のデザイン・楽天証券・マネックス証券)の預かり資産は2020年1年間で約50%増加し、総額で約5,000億円に達しました。
2020年12月22日には業界トップのウェルスナビが東証マザーズに上場しています。公募価格1,150円に対し、初値は1,725円。その後も株価は堅調であり、今後の期待が株価に表れています。

ロボアド業界の動向
ロボアドは投資信託と違い、投資家一人ひとりに合った運用をしてくれます。
簡単なアンケートに答えるだけでロボットがその人に合ったポートフォリオを考えて自動で買い付けまで行ってくれます。
一定期間が経過して、上昇したアセットクラスがあれば売却し、相対的に上昇していないアセットクラスを購入し、リバランスも行ってくれます。
業界最大手のウェルスナビの預かり資産は約3,200億円で、今後1兆円まで増やしていきたいという意向です。
アメリカではロボアド業界に20社ほどが参入し、その預かり資産は約70兆円にも達します。アメリカに比べて日本は出遅れている分、日本にはまだまだ成長余力があります。
日本人の持つ金融資産から考えて市場規模は今の数十倍はあると考えられます。
投資家保護の観点からは理想的
投資家保護の観点からもロボアドは理想的であるといえそうです。
一定の手数料の中で、売買はロボットが自動で行ってくれます。その都度、手数料はかからないため、悪徳金融マンに回転売買させられることもありません。
顧客と金融業者の利益相反が発生しにくい仕組みだといえるでしょう。
コストの観点から投信工房が魅力的
しかし、気になるのがその手数料です。
大手4社の手数料は概ね年率換算で1%程度。業界最大手のウェルスナビは1.1%(税込)です。
この超低金利に1.1%は痛い・・・。そこであれこれ見てみると松井証券の『投信工房』なるサービスが目にとまりました。
コストパフォーマンスが高い。年率最大0.34%(税込)。その差は0.76%とでかい!なんでそんなにも違うのかと調べてみると、投資工房はアンケートに答えて出た結果を自分で注文しなければならないからのようです。
しかし、その発注は簡単なものです。違いといえば、目論見書を確認しなければならないことくらいでしょうか。むしろ、何で運用しているのかよく確認できるのでそちらの方が良いのでは?とも思えます。
ちなみにどこのロボアドを使っても運用パフォーマンスは似たり寄ったりなので、手数料が安いことが選択の重要なファクターとなるはずです。
例として、1,000万円を利回り5.1%で運用できた場合、手数料を加味するとどうなるのか示したのが以下です。左側が手数料1.1%、右側が手数料0.34%となっています。

長期間運用すれば複利効果が大きくなり、30年後には700万円以上の差となってしまうことがわかります。
先行するアメリカの動向
ロボアド業界にもいずれ価格破壊の波が押し寄せるのは目に見えています。先行するアメリカ市場がそうだからです。
手数料引下げ競争の結果、業界大手の手数料は平均で約0.3%となっており、投信工房よりもさらに安い水準です。
しかし、規模のメリットが働きますから十分にやっていけるのでしょう。何しろロボットですから人件費がかからないという利点があります。
日本市場の未来
いずれ、日本市場でも手数料引下げ競争が始まるのは間違いありません。ネット証券の動向を見ればそれは明らかです。
利益が出なければ手数料を取らないという業者も今後登場する予定であり、競争が激化しそうです。しかし、それは投資家にとっては好ましいことに違いありません。
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