アメリカが民主党政権になると円高になるというのは本当か?

とある経済ジャーナリストがアメリカが民主党政権になるとドル安政策をとってくるから円高が懸念されると言っていたのです。だからデフレ脱却もままならないと。
これは日本株の投資家としては聞き捨てならない。なにしろ日本株は円高になると下がるという傾向にあるからです。
本当にそうなのか?過去の推移を調べることにしました。
歴代政権と円ドル相場
民主党政権時と共和党政権時の円ドル為替レートの関係を示しているのが以下のグラフです。

そんなに頻繁に政権交代は起こりませんので、データは限られたものにならざるを得ません。しかし、上図を見る限り、むしろ民主党政権下で円安が進んでいると見ることができます。
そもそも政権交代による為替変動要因よりも他の外部要因のほうがよほど大きいというのが個人的見解であり、とある経済ジャーナリストのいうことは裏付けのない感覚的発言だと思われます。
購買力平価でみる為替レート
長期的に見て、もっとも信頼できると考えるのは購買力平価に基づいて導き出された為替レートとの相関だと考えます。
以下がその推移となります。直近2020年11月までを反映しています。

現状の為替レート(103円~104円程度)は歴史的に見て、少々の円安水準と見ることができます。
よって、政権交代にかかわらず、今後のアメリカの金利動向いかんによって、100円割れ程度の円高は十分にあり得ると考えておいたほうがよさそうです。
もし95円以上に円高が進むようなことになれば日本株はかなり下落することになると思われます。
歴代政権と日経平均株価
念のため、アメリカの歴代政権と日経平均株価についても比べてみました。

政権と日経平均の動向に特段の傾向は見つけられません。
株価を動かす要因はあまりにも多く、事はそう単純ではないということがわかります。要するに株価の変動は複雑系の事象であって、AIでもって正確な予測などできっこありません。
民主党と共和党の対日政策
歴史的に見て、民主党は対日強硬政策を取り、共和党は対日融和政策を取るというのが一般論として知られています。
しかし、円相場や株式市場の動きだけを見ればそのような印象は受けません。むしろ、アメリカの対中政策の反動として、相対的に対日政策の比重が変わると考えてよさそうです。
民主党は昔から中国共産党とズブズブな関係にあったことは広く知られたところです。(最近はさすがにそうはありませんが・・・。表向き・・・)
とりわけひどかったのはクリントン夫妻です。中国から金をジャブジャブもらって政権運営していたのですから中国に甘くなるのは当然という話です。
その結果としてジャパンパッシング・・・。同じく民主党のオバマ元大統領も日本を完全に馬鹿にしていたとしか思えません。
そして、バイデン氏はオバマ大統領時代の副大統領ですから、日本軽視の外交がなされることが大いに予想されます。
感想
とかくジャーナリストや評論家は、最初に結論ありきで論理構成してくることが多いという印象を受けます。
疑問に思ったら、自分でも裏取りしないと思わぬガセネタつかまされることになるので要注意です。
結論。とにかくマスコミ人は当てにならん!!
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