東京都心から人が逃げ出した。これまでとは逆の流れ

日本の人口が減少を続けているのは周知の事実。しかし、東京などの都市圏は別というのがこれまでの常識でした。
しかし、この流れにも徐々に変化が現れてきてきます。
東京への人口流入
日本の人口が恒常的に減少し始めたのは2008年からです。にもかかわらず、東京都心の人口は増え続けてきました。

(出所:社会実情データ図録)
デフレに陥った1990年代後半から確実に増加を続けていることがわかります。
デフレにより地価が下がり、都心に住めるようになったということでしょう。また、高層マンションの乱立もその要因の一つです。
以下は東京圏の住宅地の地価の推移です。

1990年前後にピークをつけてから下落。まさに株価と歩調を合わせた動きです。
東京都心から逃げ出せ?!
ところで、新型コロナの蔓延とその影響による働き方の変化により、東京都心の人口動態に変化が発生してきています。
2020年後半、東京都心から郊外へ人口の流出が始まりました。
2020年11月に東京都から転出した人は約2.8万人。前年同月比で約2割増えています。流入と相殺しても約4千人の転出超です。
転出先は主に東京近郊の都市だと見られています。千葉県、神奈川県、埼玉県、栃木県などです。
ここ最近の出生数の減少は異常
また、ここ最近の出生数の減少には驚かされます。2020年は過去最少で約86万人。
減少傾向は依然として続いており、今年1~10月の出生数は約73万人、前年同期の約75万人から、さらに2万人減少するという驚異の数字です。
以下は1899年からの日本の出生数の推移です。

戦後は1970年代半ばをピークに一貫して減少傾向が続いています。今年は80~85万人程度と推測されますから、減少が加速していることがわかります。
日本の人口の将来予測
この傾向が続けば将来は以下のように人口が減少していくと推測されています。

(出所:社会実情データ図録)
2100年には日本の人口は今の半分程度になってしまいます。大正時代あたりに逆戻りといったところです。いったん減った人口を増やすのは難しい。
そもそも母数が減ってしまうのですから。一人の女性が生むことにできる子どもには限度があります。
また、政府の手薄い社会保障が少子化に拍車をかけているとしか思えません。
住居型のJリートは将来大丈夫なのか?
人口が急減していく中で、住居型のJリートをどう捉えたらいいものか?
住居型は不況に強いとはいえ、それはあくまでも短期的な見方といえます。長期的に見れば人口が減るのですから、空室が多くなるのは至極当然のことといえます。
ましてやワンルームマンションは資金効率が良いとはいえ、主なターゲットが若者ですから将来の縮小均衡は避けられないものとみます。
2021年のJリート投資、いや今後のJリート投資には頭を悩まされる今日この頃なのです。
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