通貨は結局のところキスと同じなのであった!

今だ、日本が財政破綻リスクを抱えていると思っている人が大勢であると感じざると得ません。
先日もこれから日本はたくさんの借金抱えて財政破綻するかもしれないから若い人は大変だ、などと言っているご老人がいたのであります。
まったくの誤りですが、もはやその洗脳を解くのは並大抵のことではありません。不可能といってもいいほどです。
通貨主権とは・・・
なにしろ、会計といったらもっぱら家計や企業会計のことばかり考えてきた人が大半であろうし、頭の中は赤字会計にならないよう収支の帳尻を合わせることに腐心しているというのが実態です。
最近、「通貨主権」などという言葉をよく耳にするようになりました。政府が資産の裏付けなく、独占的に貨幣を発行できる国のことをいい、具体的には、アメリカ、イギリス、日本、オーストラリア、カナダなどの国が当てはまります。
これらの国々は政府債務(国債など)で債務不履行が発生するリスクはほぼありません。あえて債務を履行しないという選択をすれば別ですが・・・。
通貨主権国の強み
卑近ではありますが恋人を例にとって考えてみました。
通貨主権国は恋人を持つ人と考えることができます。寂しいとき、恋人にキスしてもらうことができます。キスは経済的には通貨と同じと考えることができます。
寂しさに悩まされたとき、恋人がいれば好きなだけキスしてもらうことができます。
国債の発行残高は過去にどれだけキスをしてもらったかを表しているにすぎません。
恋人同士であれば、1万回キスしたから、自分もあとで1万回キスしてもらうなどと言いだすことはないでしょう。
当人同士が納得すればそれで終わりです。財政破綻など起きないということです。
通貨主権の無い国の弱み
しかし、恋人がいないとそうはいかない。
寂しさを紛らすためにキスしてもらおうと思えば、それなりの対価が必要になります。対価が払えなければ、「ツケ」で支払いを後まわししてもらうしかありません。
「ツケ」である以上、いつかは返さなければならず、返すことができなければ債務不履行(デフォルト)です。
1万回もキスしてもらったら、1万回キスしても返したことにはなりません(相手がそれでいいと言ってくれれば別ですが)。
キスの対価は金なり、不動産なり、別のもので返さなくてはならないのは至極当然です。
恋人がいないユーロ加盟国
恋人がいない国の代表例はユーロ加盟国です。
ユーロ加盟国はどこの国も自分だけの恋人がいません。よって、懐具合によって財政破綻のリスクにさらされることになります。
破産したくなければ恋人を探せ。これに尽きるのであります。
最後に
通貨主権国にとって、政府債務の残高は過去の思い出に過ぎず、GDPとの比率などを計算して比べてみたところで結局のところ何の役にも立ちません。
いかに過去、愛し合っていたかを示すバロメーター程度です。
再び物価がマイナスとなった日本。愛に飢えた人間が増えてきているということです。恋人がいるのですから、減税、国債発行での財政拡大による大規模経済対策で癒されるべきことは言うまでもありません。
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