M&A関連銘柄に変調が・・・。何を予兆しているのか?

株が強い。日経平均は28,000円に乗せてきて、3万円台も夢ではなくなってきました(行き過ぎだと思いますが。)
そんな中、M&A関連銘柄の値動きがさえないのです。M&Aは中小企業の再編を目指す菅政権の政策の追い風を受けた国策銘柄ともいえるのですが・・・。
日本M&Aセンターなどの値動き
日本M&Aセンターは買ってから約17倍、M&Aキャピタルパートナーズは約6倍、ストライクは1.8倍といったところまで育っており、いずれも私のポートフォリオに多大な貢献をしてくれているのです。ストライク以外はもちろん途中で少しずつ利確しております。
以下はここ最近の値動きです。
●日本M&Aセンター(2127)

●M&Aキャピタルパートナーズ(6080)

●ストライク(6196)

ここ最近の値動きがおかしい
長期的にみればいずれも好調のように思えるのですが、ここ最近だけに限ってみれば明らかに全体的な株価上昇に逆行する下げ相場を演じています。
何が要因なのか?ちらちら調べていると最近新たなM&A関連銘柄がIPOで新規上場したとか。
オンデック(7360)という銘柄です。公募価格は1550円でした。
上場初値はなんと4,500円。いきなり3倍近くに跳ね上がっており、その後も上昇。一時7,000円を超えて、さすがに下がってまいりました。
●オンデック(7360)

高値での出来高が多く、見切り売りも出てきていると考えられます。
そのときに他のM&A銘柄も併せて売ってきているのか、オンデックの下げを見てほかの銘柄にも売りが入っているのか・・・。実態は不明です。
コロナの影響で業績に影響も
M&Aの仲介となれば相当顧客の感情に寄り添った対応が必要になるはずです。となるとZOOMとかのリモートでの打ち合わせは難しい。
しかし、こんな状態ではなかなか面と向かっての打ち合わせも厳しい。ということで、案件の進捗に遅れが生じているようです。
また、顧客へのアプローチの第一歩となるセミナー開催も困難であり、今後の案件発掘作業に陰りも見えるようです。
もっとも今のところは、積み上げ案件が多いため、コロナ騒動が収まれば一気に業績が伸長する可能性も十分です。
プラス要因とマイナス要因が重なり合い、トータルでどうなのか?が測りかねるところです。
ひふみ投信の動向をチェック
日本M&Aセンターを初めて知ったのはひふみ投信の社長の日経新聞での記事でした。日本M&Aセンターとモノタローが紹介されていたと記憶しています。
初心に帰れといわんばかりにひふみ投信の運用報告書を眺めてみました。
すると直近の2020年9月期で、日本M&Aセンターは売り切っていて残高ゼロ。M&Aキャピタルパートナーズは5万3千株ほど買い増しをしておりました。
乗り換えたのかもしれませんが、日本M&Aセンターは54万株がなくなっていましたので、ごく一部を乗り換えたことにしかなりません。
ひふみ投信としてはM&A関連銘柄の今後は若干弱気になっていると推測します。
思い出される日本通信の値動き
M&A仲介は日本M&Aセンターの利益率を見ればわかるように濡れ手に粟。
しかし、高いノウハウが求められるので、さまざまな会社がおいそれと参入することはできません。それがM&A関連銘柄の株価好調の源泉でした。
しかし、最近は銀行が本業で苦しくなっており、さまざまな新規業務で収益を稼ごうとしています。M&A仲介もそのまた一つ。
ノウハウは今だ高くないとはいえ、日本M&Aセンターとの協業などで徐々にその能力を上げてきていると考えられます。
今後、単独でのM&A仲介が増えていくのは必至。その顧客基盤や営業拠点の数を考えれば、M&A専門の会社にとっても脅威とならざるを得ない。
以前、MVNOの走りであった日本通信で儲けさせていただきました。
●日本通信(9424)

しかし、チャートを見ればわかるように一時のあだ花となりました。今でもMVNOとして存在してはいますが、大資本の前に存在感はありません。
装置産業の悲しいところで、とにかく広告打ちまくることができる巨大資本にはかなわないということです。
M&Aの業務は装置産業とはいえないため、長らく好調を続けてきましたが、今後は競合が厳しくなると考えておいたほうがよさそうです。
最後に
株は下がり始めたときに売るのが正しい戦略といえます。なにしろ成長株はどこまで上がるかわからないからです。
その意味でM&A関連銘柄はそろそろ売りに転ずるのが正解だというのが個人的見解。
ずいぶんと頑張ってくれました。しかし、売り切ってしまうことはこれまたリスクなのでポジションは残しておくつもり。
また状況を見ながら買うときもあるかもしれません。
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三匹めのどじょうはいるか。M&A仲介銘柄、ストライク(6196)

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