保守派とリベラル派の違いはいたって単純なのであった

オフィス



『伊藤貫』という名前を聞いてピンとくる人はよほど国際政治に興味がある人だと思います。

伊藤さんは超切れ者の国際政治アナリストですが、ワシントンに住んでおられ、日本のテレビに出ることはまずありません。

著書も多くないので本屋で本を見ることも稀です。しかし、数少ない著書にはとても重要なことが書かれているのです。

そして伊藤さんの本を読んでいて、日本の保守派とリベラル派の違いが頭にふとよぎったのです。



厳しい言説


伊藤さんは日本の政治家や言論人、マスコミに極めて批判的です。右も左もともに軽蔑しており、日本の保守派は、単なる親米属国の立場に甘んじているだけであり、リベラルはお花畑の幼稚な平和主義者であると一刀両断しています。

そして、日本人の視野の狭さは太平洋戦争(保守派はとにかく大東亜戦争という言葉にこだわる。強迫観念のようですらある。保守を名乗って太平洋戦争などといったら仲間内からつまはじきにあうのであろう。)前後で変化したのではないという鋭い視点を投げかけています。

参考文献


参考となった伊藤さんの文献は、2006年に出版された『中国の「核」が世界を制す』です。

15年前の本であるにも関わらず、まったく古さを感じさせません。そして、時代は伊藤さんの予想通りに進んでいるといっても過言ではありません。

それも当然といえば当然。日本人のメンタリティーは15年経ったところで全く変わっていないからです。

本からの引用


厳しい論調を本から引用させていただきます。

(以下引用)

現在の日本は米中朝露四か国の核ミサイルに包囲され、米中間の軍事力・経済力バランスは中国側に有利な方向に着々とシフトしているのに、日本のリベラル派・保守派双方の外交理論は、1960年代と変わらぬ思考パターンを繰り返している。日本の学者とマスコミ人の知的怠慢は、政治家の知的怠慢といい勝負である。

~中略~

そもそも、もし日本国民が十分な外交史と軍事史の知識を持っていたら、戦前、日本を包囲する米中露三覇権国をすべて敵に回してしまうような無謀な戦争をやっただろうか。

~中略~

日本国民の外交や国防に関する思考力があまりにも貧困な状態であるから、単純で幼稚な戦前の「八紘一宇」論や「東亜新秩序」論、戦後の「非核三原則」論、「専守防衛」論、「米国依存」論等が、日本政府の外交政策となってしまったのである。


手厳しい批判


戦後の平和ボケ日本人のみならず、戦前の無謀な拡張主義に走った日本人にも手厳しい。これは現在の保守派にもリベラル派にも見られない特徴です。

そしてここからステレオタイプ的私見が生まれたのであります。

日本の保守派とリベラル派(私見)


少々ステレオタイプ的であるのは勘弁いただくとして、現在の日本の保守派とリベラル派は見事に以下のとおり定義できるのです。

●保守派
戦前の日本は正しく、戦後の日本はだらしない。

●リベラル派
戦前の日本は悪辣で、戦後の日本は正しい。

どちらも太平洋戦争を境に日本人の人格がまるで変わったかのような見方をしていますが、実際はそんなことはないはずです。

GHQによる洗脳工作、言論統制、焚書など数々の施策はあったものの、戦前の日本人が全て戦争で亡くなったわけではありません。

長いモノには巻かれるとか、権威に弱いとか、無節操であるとか、あまりにお人好しといった日本人の特徴が今日の日本の凋落の要因の一つであると確信します。

最後に


日本は保守派もリベラル派も堕落して腐っているとしか思えません。

ネトウヨとかパヨクなどとレッテル貼りして思考停止に陥っているのが日本の悲しい現実です。

そしてお互いの足を引っ張り合って、ただただ混迷が続いているだけであり、この状態は当分直りそうもありません。というかますます加速しそうですらあります。

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