2度目の定額給付金配布防止策は織り込み済であった

いったい緊急事態宣言はいつ終わるのかも定かではなく、景気は再び奈落の底へと落ちつつあります。
大量の緩和マネーが株式市場を支えていますが、実態とは乖離するばかり。日経225銘柄の今期予想PERは26倍にもなっています。将来よほど増益とならない限り維持することが困難な水準に上昇しました。そして、株価の雲行きも、にわかに怪しくなってまいりました。
ところで昨今の資産プチバブルは持てる者を富ましてはいますが、持たざる者には関係もなく、景気浮揚のためには再度の定額給付金配布が必要でしょう。
しかし、そこには見えない大きな壁があったのでした。
定額給付金配布は自治体任せ
元大蔵官僚の高橋洋一氏によれば、一回目の定額給付金の配布方法がよろしくなかったといいます。
具体的には地方自治体がその役割を分担したわけですが、政府にとっては楽な方法であったけれども、地方自治体にとってはたまったものではない。
地方自治体は住民票の住所に郵便を送り、返送してもらって本人確認をして、指定された銀行に振り込むという形式をとりました。
これが良くなかったというのです。
なぜ自治体に給付を任せたか
驚くのはここから。
財務省はわざと地方自治体の負担が増す、面倒な方法を取らせた可能性が高いというのです。
なぜなら、なるべくお金を配りたくないから。元大蔵省(現財務省)の官僚ですから、彼らの思考回路は手に取るようにわかるのでしょう。
実際、地方自治体は疲弊し、お金が配られるまでに1か月も2か月も待たなくてはならなくなりました。2回目をやるとなれば、地方自治体からのブーイングが出てくることはわかり切ったことです。
そして、地方自治体が反対しているからできないという話にすり替えることは容易に推測できます。
やりたくても自治体ができないって言ってますよで ”はい、終了”というわけなのです。
政府小切手という手法
高橋氏が提案しているのは政府が発行した小切手を各戸に配布するというもの。氏名入りの小切手を銀行に持ち込んで、本人確認したうえで現金を渡すという方法です。
万一、誤配送されたとしても、本人確認のうえで現金と交換するのですから、悪用される可能性も少ない。
そもそも悪用をゼロにしなければできないなどという屁理屈は、このような緊急事態には御法度というものです。
悪事を働いたものは後で処罰すればよい。今は困った人を助けるのが最優先です。
2020年12月の自殺者数
昨年(2020年)は尻上がりに自殺者数が増えていきました。2020年12月はどうなるものかと心配しておりましたが、11月よりは少なくなったものの依然として高水準です。

(出所:厚生労働省)
生活困窮者への政府の補償が行きわたっていないため、自殺者数が減りません。とりわけ特徴的なのは女性の自殺が増えていることです。これは雇用形態と大きな関わりがあるのではないかというのが個人的見解です。
2010年以降、非正規雇用の女性が増加しているのがわかります。

(出所:社会実情データ図録)
雇用環境が悪くなったとき、真っ先にその被害にあうのは非正規雇用者であることは間違いありません。だからこそ女性の自殺が増えているに違いないと考えるのです。
最後に
それにしても財務官僚は変に頭がいいだけにたちが悪い。ずる賢いという表現がぴったりです。そして、国民が苦しもうが知ったこっちゃ無しの冷血さで財政健全化を叫んでいるのです。
しかし、それはもはや時代遅れの考え方であるのは明らかです。日本が財政破綻をすることはありません。バラエティ・ニュースショーや新聞は平気で嘘を垂れ流す。財務省に首ねっこを押さえ込まれているからです。
商売人は時代から5年遅れ、政治家は10年遅れ、官僚は15年遅れと言われます。財務官僚の思考回路、行動パターンはリーマンショック前と同じと考えれば合点のいくところです。
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