給与が銀行以外に振り込まれる?!銀行の立場危うし

スマホ



規制緩和により、今春にも給与がスマートフォンなどの決済アプリに振り込み可能となるといいます。

銀行の独壇場にIT企業が割って入り、金融とIT企業の垣根はますます低くなってきました。銀行はますます追い込まれていくことになるのでしょうか。



給与が決済アプリに入金される?!


現代社会において、給与を現金でもらっている人は超稀のはずです。ほぼ100%近くの人は、銀行口座に給与を振り込んでもらっているはず。

そして、給与振込口座は個人のメインバンクになっていくことが多いはずです。

ところが、この流れに一石を投じる規制緩和がこの春にもスタートします。企業が銀行口座を介さずに従業員のスマートフォンのLINEペイやPayPayなどの決済アプリに給与を振り込めるようになるというのです。

銀行が独占してきた給与振込口座というお金の源流が、銀行以外にも流れ出すことになります。

銀行は危機感の表れか、規制緩和には反対の立場をとっていますが、時代の流れがそれを許さないと見ます。

冷静に考えて存在感は乏しい


もっとも現実問題として、給与を支払う側の年齢層は高く、決済アプリに給与を振り込むなんて、想像もつかない話。

受け取る側もデジタルネイティブである10代、20代の人を除いて、給与という大金が決済アプリに振り込まれることには違和感を感じざるを得ない。

普及には相当の時間がかかると思われ、当面、存在感はほとんどないものと思います。

世代が変われば世の中変わる


しかし、デジタル・ネイティブ世代が給料を支払う側に回る20年から30年後は様相が一変している可能性は高い。

現在のネット証券同様、あらゆるものの無料化、激安化が進み、送金手数料などは当然無料、現金での支払いなどしないのでATMの手数料など払わないのが当たり前という時代がくるのはほぼ確実です。

銀行の手数料頼みの収益構造にきしみが出ることは間違いありません。

期待されていない銀行業界


銀行の低成長、業績悪化あるいは長期低迷を見越してか、銀行株のPERはびっくりするほど低くなっています。

上場銀行の平均でなんと約5倍、PBRは約0.3倍。もはや解散して株主に資産を返したほうが合理的ともいえる水準です。

これが銀行業界の将来の暗雲を示していると言わずして何を意味するというのでしょうか。

学生は血迷っているのか


しかし、意外なことに学生が考える就職先志望業種の中に銀行が依然として4位に食い込んでいます。

ちなみに1位は情報・インターネットサービス、2位は情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト関連、3位は建設・住宅・不動産となっています。

学生ゆえの無知なのか、旧来からのイメージがそうさせているのかはよくわかりません。

最後に


銀行がIT企業化するとともに、IT企業が銀行化し、その境界線がますますはっきりしなくなってきました。今後もさらにそうなるでしょう。

しかし、この勝負。変化に強いIT業界が一枚上を行くと考えるのは私だけではないと思います。

【関連記事】
一度はまった階層から抜け出すことは難しい。若者はとにかく職業経験を!
金融庁に加えて日銀も地方銀行の合併を迫る
生き残れる金融機関、淘汰される金融機関。その違いは・・・
売れない商品は仕入れない。銀行にも世間の常識がようやく・・・
銀行、どん詰まりでいよいよ一般事業会社経営へ

↓↓応援クリックお願いします↓↓

にほんブログ村

知識ゼロからのフィンテック入門 [ 桜井 駿 ]

価格:1,430円
(2021/2/1 20:15時点)



アマゾン銀行が誕生する日 2025年の次世代金融シナリオ [ 田中 道昭 ]

価格:1,980円
(2021/2/1 20:18時点)




関連記事

コメント

非公開コメント