楽天証券がSBI証券を抜く日

いささか対応が遅すぎると感じるのは大手ネット証券の投信積立におけるクレジットカード決済への対応です。
SBI証券は2021年6月、マネックス証券は同4月から対応するというのですが、先行している楽天証券の持つ魅力にも負け、どうもインパクトに欠けています。
楽天証券が大きく先行
楽天証券が楽天カードで投資信託の積立のカード決済を開始したのは2018年10月ですから、今から2年半近く前になります。
カード決済にすれば、通常の買い物と同様に1%の楽天スーパーポイントが付与されます。この低金利時代に実質1%の金利がつくのと同じようなものですから大きな魅力です。
また、楽天ポイントは使い道が広い。
楽天市場でさまざまな買い物ができますし、提携店舗なら街の店でも現金同様に使うこともできます。
さらに、ポイントを使って投資信託を購入できる。あらゆる使途に使えるのが楽天経済圏の強さです。
楽天カードの圧倒的存在感
楽天カードは会員数2000万人以上、年間ショッピング取扱高約9兆5000億円、市場シェア18.6%を誇り、国内トップの地位を築き上げました。
楽天は2005年に聞いたこともないような国内信販という会社を買収し、それまでの提携カードから独自のカード発行へ移行したと記憶しています。
わずか10数年でトップに躍り出るという快挙。看板を付け替えて、楽天経済圏に取り込む戦略でもっとも成功した事例の一つといえるでしょう。
SBI証券、マネックス証券が提供するサービス
SBI証券が6月から開始するサービスは、三井住友カードと提携して、投資信託の積立をカード決済できるというものです。
カード決済により、三井住友のVポイント(聞いたこともないが)が0.5%付与されるといいます。
還元率が低いうえ、付与されるポイントも知名度が低く、カード決済ができるということ以外に特段の魅力を感じません。
マネックス証券の場合は、提携カードであるマネックスカードで決済すれば、マネックス証券独自のマネックスポイントが1%分付与されます。
マネックスポイントはTポイントなど、さまざまなポイントにに交換することができますが、ひと手間かけなければならず、シームレスにさまざまな形で活用できる楽天ポイントにひけをとります。
両社ともに後発ながら先発に負けているという苦しいスタートなのです。
楽天証券がSBI証券を抜く日
長らくネット証券業界ではSBI証券が圧倒的シェアを誇っていました。しかし近年、楽天証券が猛追しています。
昨年(2020年)に限れば、楽天証券が口座開設者数のトップとなっています。
2020年秋時点で、SBI証券の口座数は約570万、そして楽天証券は約440万。同年春の預かり資産はSBI証券が約13兆円、楽天証券が約7兆円となっています。
口座数の割りに預かり資産の差が大きいのは、楽天証券の顧客層が若いからだと推測します。
しかし、年を重ねればその差はどんどんと縮まっていくはず。楽天カード同様、楽天証券がいずれネット証券業界でもナンバーワンになることは十分に考えられることです。
楽天モバイルが今後の楽天経済圏を左右する
先日、楽天モバイルがインパクトのある新プランを発表しました。これにより、先行のドコモなどの魅力は色褪せてきました。
楽天モバイルへの流入が続けばさらに楽天経済圏は巨大化することになります。そして、それは楽天証券にとっても追い風となることは間違いありません。
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