日経平均大幅安なのにTOPIXは小幅高。NT倍率の歪み是正中

2021年3月19日、日経平均は424円と大幅安で再び3万円割れ。しかし、一方でTOPIXはマイナスどころか3.7ポイントのプラスで上昇。
2020年11月からの歪な日経平均上昇のツケが今修正されつつあります。それは主に割安株買い、値がさ成長株売りという形でです。
異様なNT倍率の推移
以下は2006年3月からの日経平均とTOPIXの株価推移を示しています。

リーマンショック以降、着実に日経平均のパフォーマンスがTOPIXを上回っていますが、昨今の乖離はすさまじい。
2020年11月からの動きはとりわけ異様とも思えるものでした。
NT倍率の推移を見てもそれは明らかです。

近似曲線からの上方乖離が著しい。日経平均3万円台は、あくまで日経225採用銘柄の特殊な動きであり、全体的な傾向を表しているとは思えないものでした。
そう考えている投資家も多かったのでしょう。最近、にわかに高配当で割安なバリュー株に物色の矛先が変わりつつあります。
3月19日の相場は象徴的
3月19日の相場はまさにその動きが顕著に現れたと考えられます。
日経平均424円安は暴落とはいえないまでも、大きな下げには違いない。しかし、東証1部全体の時価総額の加重平均は増加しているのです。
以下はここ最近の日経平均とTOPIXの株価推移です。

3月上旬から明らかにTOPIXの動きが日経平均を上回っていることがわかります。
この傾向はしばらく続くのではないかと考えます。
日経平均を動かす銘柄
TOPIXは時価総額に基づく算出であり、会社の規模が反映された数値であるため、より株価の実態を表しているといえます。
一方、日経平均は会社の規模に関係なく、単純に株価を足して会社数で割っただけ(除数により連続性は担保されている)であり、値がさ株の影響が大きくなります。
では日経平均に大きく影響を与えている銘柄はどんな銘柄なのでしょうか?
以下は2021年3月19日現在の日経平均採用銘柄の値がさ株トップ10です。
1.ファーストリテイリング(9983)91,020円
2.東京エレクトロン(8035)42,130円
3. ファナック(6954)26,715円
4.ダイキン工業(6367)23,150円
5.信越化学工業(4063)18,640円
6.東海旅客鉄道(9022)17,690円
7.富士通(6702)16,055円
8.TDK(6762)15,650円
9.ソニー(6758)11,555円
10.ソフトバンクグループ(9984)9,969円
2.東京エレクトロン(8035)42,130円
3. ファナック(6954)26,715円
4.ダイキン工業(6367)23,150円
5.信越化学工業(4063)18,640円
6.東海旅客鉄道(9022)17,690円
7.富士通(6702)16,055円
8.TDK(6762)15,650円
9.ソニー(6758)11,555円
10.ソフトバンクグループ(9984)9,969円
では、日経平均採用銘柄でありながら、その株価にほとんど影響を与えない低株価銘柄はどんな銘柄でしょうか。以下がトップ5?です。
1. 三菱自動車(7211)317円
2. 双日(2768)325円
3. NTN(6472)349円
4. 東京電力ホールディングス(9501)370円
5. シチズン時計(7762)421円
2. 双日(2768)325円
3. NTN(6472)349円
4. 東京電力ホールディングス(9501)370円
5. シチズン時計(7762)421円
三菱自動車の株価が0円になるのと、ファーストリテイリングの株価が317円下がるのと同じ影響なのですから奇妙といわざるを得ない。
社会的影響の多寡はまったく関係がないところで日経平均は動いているといったら言い過ぎでしょうか。
それなのに日経平均が重用されているのは歴史が長くて比較がしやすく、また知名度が高いといった理由だけです。
今回のペアトレードは大成功
日経平均とTOPIXには歪みがあるとにらんで、日経平均売り(実際にはダブルベア投信の買い)、TOPIX買い(ダブルブル投信の買い)を組み合わせたペアトレードをしたのが3月15日。
これで相場が上がっても下がっても利益が出ると踏んだのでした。
今回は読みが当たり、現状、日経平均ダブルベアは5.4%の評価損、TOPIXダブルブルは11.5%の評価益となっており、トータルで6%程度の評価益となっています。
3月22日(月)は海外の日経平均先物の動きを見る限り、安く始まるはず。
ここで両方売却して利益確定をしてやろうともくろんでいるのです。
今後、しばらくは株価全体が大きく上がることはないと思われ、ゲリラ的な投資で利益を重ねるほかないと決め込んでいるのであります。
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