「ほふり」から見える日本の証券市場

デジタル



30年ほど前まで、投資家が買った株は紙の券面として存在し、証券会社の金庫に保管されていたのであります。

売買があれば株券が移動し、配当をもらうためには株券の裏に名前を書いてもらうという面倒くさい名義書換という手続きが必要だったのです。

なんとその間、1か月前後、その株を売ることはできませんでした。それが「ほふり」の登場により一変することになったのです。



「ほふり」って何だ?


「ほふり」という愛称で通っていますが、正式名称は(株)証券保管振替機構です。上場有価証券や公募の投資信託など、世に出回る有価証券のほとんどは「ほふり」で電子データとして保管、管理されています。

もちろん、JリートやETFも「ほふり」でデータ管理されております。

今でこそ、株券を発行するのは超レアケースの例外ですが、その昔は株券は発行するのが原則でした。

上場企業は2009年には株券の電子化が義務となっています。そして、ペーパーレス化された有価証券を取引する、投資家の決済・保管口座は「ほふり」に作成されています。

「ほふり」参加者とその役割


「ほふり」に直接口座を持つ者を制度参加者といい、証券会社や銀行などが主な参加者です。

制度参加者は「ほふり」内に自己投資口と顧客投資口の2つの口座を持つことになります。

投資家の銘柄別の取引データは投資家が口座を持つ証券会社などの顧客投資口に顧客分として、合算して管理されます。

そして、その証券会社などは、顧客一人一人の取引データを管理し、「ほふり」の顧客投資口分の合計と照合を行っていることになります。

巨大なデータが眠る「ほふり」


上記のように「ほふり」は投資家の有価証券の管理を一手に担っていることから、多くの情報を保有しています。

2017年秋のデータによれば、日本の個人株主数は延べで約5,400万人、名寄せすると約2,000万人となっています。日本人の6人に1人が株式投資をしており、1人あたり2~3銘柄を保有しているなどといったことがわかるわけです。

少々古いですが、以下は日本人の年齢別有価証券保有率を示したものです。

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(出所:社会実情データ図録)

やはり、高齢者が多いことがわかります。しかし、現状は若い世代もかなり上昇しているだろうと推測します。

最後に


株券が電子化され、投資はますます便利なものとなりました。株式投資のゲーム化が進んでおり、アメリカの「ロビンフッド」がその典型でしょう。

日本もスマホ型の証券会社が存在感を増しており、同じ道を辿っていることは間違いありません。

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