CREロジスティクスファンド投資法人にみる物流リートの強気

コロナ騒動の影響などなんのそのといった印象を受けるのが、物流系のJリートです。
CREロジスティクスファンド投資法人の資産運用報告を見ても物流リートの強気と好調さが際立っているように思えます。
冒頭のあいさつから絶好調!
CREロジスティクスファンド投資法人(3487)の資産運用報告を見てみれば、冒頭のあいさつから絶好調ぶりが手に取るようにわかります。
2020年12月期には公募増資で新たに3物件を取得。既存物件を含め、稼働率は100%です。分配金は当初予想の3,297円から3,392円とアップしています。
2021年1月には公募増資でさらに3物件を取得し、規模を拡大。
好調の背景はなんといっても電子商取引の拡大です。コロナ禍においてもテナントからの賃料減額要請や支払猶予の申出もなく、賃料は100%受け取っているのです。
新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響は特段存せずとまで言い切っているのであります。
物流リートの市場環境
この好調さはCREロジスティクスファンドに限ったものではありません。
2020年末現在で、首都圏における物流施設の空室率はなんと0.19%!過去最低水準となっており、引き続き需要は旺盛です。
好調な需要に応えるべく、2021年は過去最高の物件供給が予定されていますが、すでに多くが予約で埋まっているようです。
ここ数年来、物流施設の供給は右肩上がりですが、需要はそれを上回っていると見られ、空室率は右肩下がりとなっており、供給過多となるにはまだまだ時間がかかりそうな気配です。
公募増資を支える高NAV倍率
CREロジスティクスファンドは4期連続で公募増資を行っていますが、効率のよい資金調達を可能としているのは高いNAV倍率(※)です。
2021年3月25日現在、1.16倍。さすがに、大規模物流リートには劣りますが、Jリート全体の中では上位に位置します。
投資口の新規発行の数を抑えながら、より多くの資金を調達できるという意味で高NAV倍率は公募増資には好都合というわけなのです。
※NAV倍率
不動産の時価に基づく不動産投資法人の純資産価格をNAV(Net Asset Value)といいます。さらに、投資口価格を、投資口数1口あたりのNAVで割ったものをNAV倍率といいます。株式投資におけるPBRの概念に近いものです。NAV倍率が1倍を超えると不動産投信の実際の価値よりも市場での価格が高いと考えることができます。
不動産の時価に基づく不動産投資法人の純資産価格をNAV(Net Asset Value)といいます。さらに、投資口価格を、投資口数1口あたりのNAVで割ったものをNAV倍率といいます。株式投資におけるPBRの概念に近いものです。NAV倍率が1倍を超えると不動産投信の実際の価値よりも市場での価格が高いと考えることができます。
増資で規模拡大を図る理由
公募増資で規模拡大を図る目的は投資家層のすそ野を広げたいという意図もあります。
運用資金が巨額となる機関投資家は流動性の低い銘柄を好まない。自らの買いで値が上がってしまったり、自らの売りで値が下がったしまうからです。
時価総額を大きくすれば機関投資家の買いも入る。そしてさらに規模の拡大を図れるという好循環を狙っているようです。
投資口価格の動向
コロナ騒動の影響はないと言い切るだけあり、その価格動向も見事なもの。

さすがに2020年春は暴落しましたが、今ではコロナ前をゆうに上回る水準です。
予想分配金利回りは4.2%。割安とまではいえないまでも、特段割高感もなく、まだまだ買える水準といったところ。
今後の成長が見込めそうなJリート銘柄の一つだといえそうです。
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