マンションは立地さえよければ古くてもよし

新型コロナウイルスは住宅事情にまで多大な影響を与えています。テレワークが浸透し、通勤時間を気にしなくなった人が多くなり、郊外の一戸建てが好調です。
ところで昨今、マンション市場に変化の兆しが現れています。それはマンションの市場価値に直結する価値観の変化なのです。
マンションの魅力度の変化
マンションの魅力は防犯性の高さや転売のし易さなどさまざまありますが、なんといっても、好立地による利便性の高さが一番の魅力ではないでしょうか。
そして、その傾向に近年変化の兆しが見られます。
利便性の高さゆえなのか、駅近物件の魅力がますます増しているというのです。
駅近物件の魅力が増す
ある調査によれば、2007年から2014年までは、最寄り駅から歩く時間が1分増すごとに、マンションの価格は1.2%下がるという結果でした。
歩く時間が10分長くなれば、価格は12%下がるということです。
言葉は悪いですが、貧乏人は歩けということになります。健康のためには歩いたほうが良いという考え方もありますから悪いことばかりではありませんが・・・。
そして、2015年からはさらにその傾向に拍車がかかり、2020年頃には徒歩の時間が1分増した際のマンション価格の下落率が1.5%程度にまで拡大しています。
駅近物件の魅力が増して、駅から遠いマンションは敬遠されているということです。
これは昨今のタワーマンションの乱立が原因であろうと思われます。
最寄り駅のそばにタワーマンションが林立して物件が大量供給されれば、駅から遠いマンションの魅力が下がるのは当然といえば当然です。
駅から近ければ古くても良い
マンションの築年数による価格の下落率にも変化が出てきています。
2012年頃までは、築年数が1年長くなるとマンション価格は2%ほど下がるというのが相場でした。
10年古ければ20%安くて当然というわけです。
しかし、2013年以降、その傾向が弱まり2020年には1.5%にまで下がっています。
古い物件でも駅から近ければ値が下がりにくくなっているということです。
高層マンションの増加動向
以下は東京23区内の高層建築物の数の推移を示しています。

(出所:社会実情データ図録)
当然右肩上がりとなっています。
また、以下は首都圏の超高層マンションの竣工戸数の推移です。

(出所:国土交通省)
2010年あたりをピークに減少しているのは、デベロッパーが値崩れを防ぐために供給を絞っているためだと推測します。
所感
それにしてもやはりマンションは立地が最重要ポイントであるという感をますます強くいたしました。
郊外のマンションにわざわざ住む理由もない。それなら一戸建てのほうが良いという人が多いはずです。
狭くて、音の問題なども発生しがちなマンションにあえて住むのは、利便性がそのデメリットを上回るからにほかなりません。
リセールバリューを考えてもマンションは立地がすべてなのです。歩くのが大好きな人を除いて、駅から遠い郊外のマンションは間違っても買ってはいけません。
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