配当をもらいたくない外国人投資家の存在

株価ボード



3月も終わりになれば少々株価が高くても、配当金をもらうために3月下旬まで株を保有したいという人が多いのではないでしょうか。

しかし、配当金をもらいたくないためにあえて手放す投資家がいるというのですから何やら興味深いのです。



配当取りをあえて避ける投資家


3月決算の会社で議決権や配当を取得するには月末3営業日までに株を買っていなければなりません。この日を権利付最終日などといいます。

しかし、あえて配当を受領したくないために、権利付最終日を待たずに売ってしまう投資家がいるというのです。

それは外国人投資家です。しかしいったいなぜ?

証券税制にそのヒントがあり


そこには日本の証券税制という秘密が隠されていました。

外国人投資家は母国と日本との二重課税を避けるため、日本での株式売却益は非課税となっています。

ところが配当には課税されるのです。

配当金は15.315%分(0.315%分は悪夢の民主党が作った復興所得税。被災者からも容赦なく徴収するという非道)の税金が源泉徴収されてから支払われるのです。

日本でも課税され、母国でも課税されてしまうという二重課税です。

株価は日本の国内投資家の理論どおり下がるケースが多いと思われるため、外国人投資家には損なのです。

そこで、配当の権利を取る前に売ってしまおうというわけです。

しかし、4月には買戻しが入る


しかしながら、外国人投資家も不本意ながら売却しているようであり、4月になると同じ銘柄を買い戻すケースが多いといいます。

そりゃそうでしょう。株価が動かないと仮定すれば、持ち続ければ日本国内の投資家よりも明らかに不利なのですから一旦売っておくのが合理的行動なのです。

現に例年4月は、外国人持株比率の高い銘柄ほど相対的に上昇する傾向にあります。

外国人投資家の存在感は圧倒的


それにしても最近の外国人投資家の存在感は半端ない。

2021年3月29日から4月2日にかけての、東証1部の株式委託取引において外国人投資家の占める比率はなんと約69%!!

東証2部やマザーズは38%程度ですので、資金力の大きさがわかろうというもの。小型株では流動性が低く、自らの注文で株価が動いてしまうということだろうと思います。

(参考)外国人持株比率が高い銘柄


以下は外国人投資家の持株比率が高い主な銘柄です。これらの銘柄の4月のパフォーマンスが理論的にいけば好調のはずです。

日本オラクル(4716)
ユニバーサル(6425)
アクシージア(4936)
モノタロウ(3064)
中外製薬(4519)
価値開発(3010)
ローランド(7944)
いちご(2337)
市光工業(7244)
レッド(3350)
EMネットJ(7036)
テクノプロH(6028)
シャープ(6753)
ラオックス(8202)
ビットワンG (2338)
イントラスト(7191)
日産自動車(7201)
シルバエッグ(3961)
ハナツアーJ(6561)


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