コロナ禍の投機、FXは日本が世界一の市場規模

ドル



コロナ禍でのテレワーク下における投資(投機)は株のみではありません。

外国為替証拠金取引(FX)が過去最大級の取引規模に達しています。しかし、必ずしも利益には結びついてはいないようで・・・。



日本のFX市場


2020年の個人投資家によるFXの取引規模はなんと6000兆円に達したといいます。東証1部の株式の売買代金が670兆円ほどですから、その巨大さがわかろうというものです。

ちなみにJリートの売買代金は20兆円ほど。取引の金額だけを見ればFXがもっとも市場規模が大きく、市民権を得ているといえます。

FX取引が巨額になる理由


もっともFXはレバレッジがききますから取引額は必然的に大きくなりがち。

あまりの投機の広がりに金融庁はレバレッジ規制をかけてきました。

2010年には最大50倍に、2011年には25倍に引き下げられています。とはいえ、株式の信用取引(約3倍)とは一桁違いますから、少額で大きな取引ができるのは厳然たる事実。

そしてその分、大きな損失を被る可能性も高くなるわけです。

また、外国為替市場は眠らない。24時間営業で取引ができることも取引金額が大きくなる理由の一つです。

2020年は材料も多く


思えば2020年はあまりにいろいろあり過ぎた。コロナ騒動はもとより、米大統領選など・・・。

為替相場も株式市場同様、大きく振れました。やはり2020年3月がすごい。有事の円買いが一気に進んだことがわかります。

20210420endoru.jpg

これだけ一気に動くとロスカットもままならない。

値が付かずにスリップして、とんでもない値段でロスカットされることもありえます。

実際のところ、2020年3月は投資元本以上の損失を被った投資家も多かったようであり、FX業者は顧客の損失のかなりの額を回収できない状況に陥りました。

日本人はギャンブル好き


まじめな人が多い日本はその反動なのかギャンブル好きが多いという一面も持ち合わせています。

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(出所:社会実情データ図録)

経済大国の中ではもっともギャンブル好きだといえるでしょう。その割に株式投資をする人は少ないことを考えると刹那的な短期勝負が好みだと考えられます。

パチンコが典型的です。江戸っ子は宵越しの金を持たないといいますがその名残なのか・・・。

購買力平価から見た為替水準


一物一価という考え方から、長期的に為替相場の動きは購買力平価に収れんされていく傾向にあるといえます。

現状は以下のとおり。

20210420koubairyoku.jpg

過去の動きから言えることは

・消費者物価指数まで円安となることはまずない。
・輸出物価指数まで円高となることはまずない。
・企業物価指数を仲値ととらえることができそう。

といったところです。

多少円高が進んでいるとはいえ、現状は今だ円安に振れ過ぎていると思われます。

最後に


またも緊急事態宣言だそうで、FX業界には追い風再びといったところです。

しかし、レバレッジをかけた投資には素人は手を出すべきではないというのが個人的見解。少々儲けていても、大きな相場変動で一気にやられ、借金だけが残るというパターンがかなりの確率で起こりえます。

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