日本では財務省のほうが総理大臣よりも偉い?!

かつて宮澤喜一氏という政治家がいました。総理大臣まで登り詰めた政治家です。しかし、政治家というにはあまりにも覇気がなさ過ぎた。
政治家というよりも役人がふさわしいといった人物であったと思います。そして、その宮澤氏の過去の発言からも財務省(当時大蔵省)の強大な権限が浮かび上がってきます。
世の東西を問わず、財布の紐を握っている者の横暴はなかなか止められないようです。
宮澤喜一という政治家
宮澤喜一氏(1919年~2007年)。東京帝国大学(現東京大学)法学部卒。大蔵官僚を経て1953年に政界入りしました。また、宮澤氏は英語が堪能だったことでも有名です。
1991年(平成3年)には72歳にして内閣総理大臣に就任しています。約1年と短命内閣でしたが・・・。
それにしてもこの宮澤氏。政治家としてはいかにも線が細かった。それは当時の政権支持率にも如実に表れています。

(出所:社会実情データ図録)
黒い線が内閣支持率、ピンクの線が自民党支持率です。
歴代でもトップレベルの低迷ぶりです。
バブル崩壊当初の公的資金投入案
1990年代初頭、日本の巨大バブルが崩壊しました。株価や不動産価格は大暴落。そして不動産取得のために巨額の資金を融資していた銀行の経営に陰りが見え始めました。
そこで、当時の宮澤首相は銀行に公的資金を注入しようとしたのです。しかし、これに大蔵省が猛反発。
銀行は大蔵省の下請けみたいなものですから、大蔵省の意向に逆らうわけもない。
結局、公的資金の投入は実現されず、問題は先送りされることとなりました。
総理大臣よりも大蔵省のほうが偉い?!
とにかく宮澤内閣は支持率が低かった。それもそのはず、なにしろ言うことが情けない。
ジャーナリストの田原総一朗氏が宮澤氏と話したとき、日本では総理大臣より大蔵省のほうがはるかに力があると言ったといいます。
確かにそういう面はあったのでしょう。でも政治家がそれを言ったらお終いよって話です。
しかも総理大臣なのですから・・・。
そんな人を国民が支持するわけもなく、上記の支持率の低さも納得させられるのでした。
財務省の思考回路
それにしてもなぜ財務省はかくも日本全体の利益を考えないのでしょうか?
財務省はもはや売国奴集団といわざるを得ない組織です。その答えは財務省設置法にあります。
財務省設置法
(任務)
第三条 財務省は、健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保を図ることを任務とする。
(任務)
第三条 財務省は、健全な財政の確保、適正かつ公平な課税の実現、税関業務の適正な運営、国庫の適正な管理、通貨に対する信頼の維持及び外国為替の安定の確保を図ることを任務とする。
財務省の官僚は偏差値の高い大学を出たエリート集団であるからしてその知能は優秀であることは間違いありません。しかし一方で、人を蹴落としてきたという面もあり、選民思想に冷酷さと薄情さを兼ね備えているといえそうです。
彼らは自らに与えられた任務さえ遂行すれば他人(国民)が苦しもうが知ったこっちゃないという思考回路で行動していることはほぼ間違いないと推測します。
財務官僚の思考回路を変える方法
彼らの思考回路、行動原理を変えるには法律を変えるほかありません。
変えるべき法律の代表格は財政法の4条です。
財政法
第四条 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
第四条 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。
真面目で薄情なエリート集団は上記の条文の犬となって行動しています。
この縛りを取ってあげなければ彼らの思考回路、行動原理は変わらないでしょう。いわばロボットみたいな思考回路なのですから命令を変えるしかない。
最後に
それにしても財務省の思考回路を変えるのは容易ではありません。特定のリーダーなりが指揮命令しているわけでもなく、いわば文化のようなものだからです。目に見えない。
そして、文化を変えるには時間がかかる。しかし、今MMTという新たな波がその文化を変える可能性が出てきました。
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