株式投資にも生かせる相関係数とは何か、その求め方は?(数学嫌い向け)

相関係数という名称を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。そしてその概念もわかりやすい。
しかし、いったいどのようにして求めているかを知っている人は少ないと思います。そこで今回は相関係数の求め方についてまとめておきたいと思います。
(復習)相関係数とは
相関係数とは、変数の関係の強さの程度を表す値をいいます。
AとB、2つの変数があるとき、正の相関があればAの値が増えるほどBも増え、負の相関があるときはAの値が増えるほどBは減ります。
相関係数は-1から+1までの値を取り、+1に近いほど強い正の相関、-1に近いほど強い負の相関があります。
相関係数の目安は以下のとおりです。
・±0.7~1.0:かなり強い相関あり
・±0.4~0.7:やや相関あり
・±0.2~0.4:弱い相関あり
・±0.0~0.2:ほとんど相関なし
・±0.4~0.7:やや相関あり
・±0.2~0.4:弱い相関あり
・±0.0~0.2:ほとんど相関なし
相関係数を求めるのに必要な値
相関係数を求めるには標準偏差と共分散という値が必要になります。
標準偏差の求め方は以前ご紹介しました。
(関連記事)株式投資にも生かせる標準偏差とは何か、その求め方は?
では簡単な例を取り上げて具体的に求めて生きたいと思います。
具体的計算方法(まず標準偏差)
2つの株価が以下のように動いたとします。
A:100円 → 150円 → 200円
B:100円 → 200円 → 300円
まずはAとBの平均と求める必要があります。
・Aの平均 150円
・Bの平均 200円
です。そして分散を求めていきます。
A:100円-150円の2乗=2,500円
150円-150円の2乗=0円
200円-150円の2乗=2,500円
(2,500円+2,500円)÷3=1,666.666…円 ・・・分散
1,667.7円の平方根=40.824…円 ・・・標準偏差
B:100円-200円の2乗=10,000円
200円-200円の2乗=0円
300円-200円の2乗=10,000円
(10,000円+10,000円)÷3=6,666.666…円 ・・・分散
6,666.7円の平方根=81.649…円 ・・・標準偏差
共分散なるものの求め方
共分散を求める前にそもそも共分散とは何かを知る必要があります。
共分散
2つのデータが、どれだけ関連性・連動性があるかを示す係数です。2つのデータの平均値とデータとの差を掛け合わせ合計したものの平均となります。2つのデータが同じ方向に動く場合、同じ符合の偏差を掛け合わせるので、積はプラスになります。一方、2つのデータが違う方向に動く場合、違う符合の偏差を掛け合わせるので、積はマイナスになります。共分散の符号は2つのデータが動く方向を示し、数値は平均値との乖離具合の大きさを示しますが、このままでは数値が大きさがバラバラで解釈が困難です。そこで、それぞれのデータの標準偏差の積で割った相関係数で評価するのが一般的です。
2つのデータが、どれだけ関連性・連動性があるかを示す係数です。2つのデータの平均値とデータとの差を掛け合わせ合計したものの平均となります。2つのデータが同じ方向に動く場合、同じ符合の偏差を掛け合わせるので、積はプラスになります。一方、2つのデータが違う方向に動く場合、違う符合の偏差を掛け合わせるので、積はマイナスになります。共分散の符号は2つのデータが動く方向を示し、数値は平均値との乖離具合の大きさを示しますが、このままでは数値が大きさがバラバラで解釈が困難です。そこで、それぞれのデータの標準偏差の積で割った相関係数で評価するのが一般的です。
プラスになるかマイナスになるかで正の相関となるか、負の相関となるかは判断つきますが、数字の大きさがデータにより全く異なってくるため相対的な判断がつきません。
そこでもう一つの作業をすることで、-1~1までの範囲に収め、わかりやすくしようというわけです。
では実際に相関係数を求めてみましょう。でもその前に共分散を求める必要があります。
共分散を求めてみる
(150円-200円)×(100円-200円)=5,000円
(150円-150円)×(200円-200円)=0円
(200円-150円)×(300円-200円)=5,000円
(5,000円+0円+5,000円)÷3=3,333.3円 ・・・共分散
相関係数を求めてみる
相関係数は共分散をそれぞれのデータの標準偏差の積で割ることにより求められます。
3,333.3円÷(40.8…円×81.6…円)=3,333.3円÷3,333.3=1
AとBは1の正の相関関係にあることになります。(Aが上がればBも確実に上がる関係)
最後に
全く頭の良い人の考えることは違う。凡人には考えもつきませんが、今やエクセル一発で標準偏差や相関係数も計算してくれます。
とはいうものの、その考え方や計算方法について若干は理解しておかないとトンだ考え違いに陥りかねません。多少なりともお役に立てたならば幸いです。
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