予定調和の株価下落。NT倍率から日経平均の下値を探る(2021年5月)

不自然な株価はやがて修正される。どうやらその時が近いと見ます。
セル・イン・メイなどという言葉もあります。
ウォール街の相場格言の一つで、5月に株式を売って、9月半ばまで相場から離れた方がいいという意味だそうです。過去の経験則から来るものです。
さて、下落トレンドに突入した場合、日経平均がどこまで下がるのか、NT倍率をキーワードに考えてみます。
前提条件
まず大前提として、2020年11月以降の株価上昇は行き過ぎであること、そしてNT倍率から見て日経平均採用銘柄がとりわけ買われ過ぎているという前提に立って考えます。
以下はNT倍率の推移です。

一貫して右肩上がりとなっていますが、特に2020年末からの上がりは強烈です。
近似曲線から見て、14倍程度がニュートラルな水準だと考えられます。
TOPIXの水準はいかほどか
ではTOPIXを単純に14倍すればいいという問題でもありません。
日経平均に比べれば穏やかとはいえ、TOPIXも2020年11月あたりからの上げはメッキ部分だと見なさなければならないからです。
以下はTOPIXの動きです。

どこからがメッキか判断するのは難しい。もはや勘の世界ですが、2020年11月に窓が開いています。
窓が開いた1,750ポイントあたりからはメッキだと推測できます。
メッキが剥げれば1,750ポイントまで下がると思われます。
TOPIX × NT倍率 = 日経平均安値
これで材料は整いました。
1,750ポイント × 14倍 ⇒ 日経平均の下値目処です。
いったいいくら?
24,500円也。
現状(2021年5月13日現在)、日経平均は27,448円也。
あと3,000円程度の下げは覚悟しておかねばならないというのが個人的見解です。
日経平均トータルリターン?
ところで今まで気がつきませんでしたが、日本経済新聞に日経平均トータルリターン・インデックス(※)なる指標が掲載されていました。
配当込みの日経平均であろうことは容易に推測できましたが、あまり意識したことはありません。
ちなみに5月12日現在で46,822円となっております。バブル最高潮の1989年12月の日経平均トータルリターン・インデックスは43,200円。
配当を加味すれば、バブルの最高値で買ったとしても損は発生していない水準にまでは戻ったということです。
(※)日経平均トータルリターン・インデックス
配当を加えた日経平均株価の値動きを示す指数。日経平均の値動きに加えて、日経平均の構成銘柄から得られる配当を再投資したと仮定した場合の値動きを指数化したもの。日本経済新聞社が2012年12月3日から算出している。
配当を加えた日経平均株価の値動きを示す指数。日経平均の値動きに加えて、日経平均の構成銘柄から得られる配当を再投資したと仮定した場合の値動きを指数化したもの。日本経済新聞社が2012年12月3日から算出している。
最後に
あと1割程度の下げと覚悟すれば大したこともない。セル・イン・メイのとおりとなれば秋には底もつくでしょう。
今は時間分散。焦らず仕込むチャンスが到来したといえます。チャンスを逃した人はここからが勝負となります。
日銀はまだETFとJリートの買いには動いていません。日銀もまだまだ買い支えるほどの段階ではないと考えているに違いありません。
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