菅首相ご乱心。プライマリーバランス黒字化目標を骨太の方針に

税金



自民党はもう不要と言っていいのではないでしょうか。

こんな時期にもかかわらず、謎の民間議員なる者を含む経済諮問会議で、2025年のプライマリ―バランス黒字化目標を堅持すべきだという信じがたい話が出たのですから。

そして6月には政府は骨太の方針でプライマリーバランス黒字化を明記するというのです。もはや頭がいかれているとしか思えません。



経済諮問会議のメンバー


経済諮問会議のメンバーは以下のとおりとなっています。

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(出所;内閣府)

全員の頭がいかれているとは限りませんので、資料をかいつまんで見てみることにしました。

「経済・財政一体改革の推進」なる資料


竹森俊平、中西宏明、新浪剛史、柳川範之(敬称略)から成るメンバーが「経済・財政一体改革の推進」なる資料を出しています。

そこにはこんな一文がありました。

財政面では、新型感染症による経済の落ち込みを下支えする観点から、機動的かつ大胆な財政出動を行ったこと等により、国・地方 PB は足元で一時的に改善軌道から大きく乖離する見込みである。引き続き、新型感染症の影響など経済状況に応じた機動的・弾力的なマクロ経済運営を行い、経済の下支え・回復を最優先に取り組む必要があるが、各国とも、財政出動を行う中でその財源を賄う措置を講じようとしていることも踏まえ、わが国も財政健全化に向けしっかりと取り組んでいくべきである。

将来世代の不安を取り除くためにも、全世代型社会保障改革を今後もしっかり進め、社会保障の持続可能性を確保する必要。そのため、PB 黒字化、債務残高対GDP 比縮減の財政健全化目標を堅持すべき。

もはや狂っている。

竹森俊平氏は一応経済学者、中西宏明氏は日立製作所の相談役、新浪剛史氏はサントリーホールディングスの社長、柳川範之氏は一応経済学者となっています。

それにしても周回遅れの経済学者としか思えない。財界人は脳みそが会社の会計となっており、国の財政を語るには全くの役立たずなのはもはや鉄則です。

利益を追い求める私企業と国民の生活を守る国家とでは全く財政運営の価値観が違うのですから。

有識者議員提出資料などと書かれていますが、何が有識者かと問いたい。無識者に名を改めるべきでしょう。

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財政健全化は貧困への道


世界各国の経済は以下の式で成り立っております。

民間部門資金過不足+政府部門資金過不足+海外部門資金過不足=0

今は海外部門が赤字(←貿易黒字などで黒字になっていることを意味する)ですから政府が財政を黒字化しようとしても、まだ民間部門は黒字を維持できるかもしれません。

しかし、昨今貿易黒字は減少しているのです。日本は技術立国の地位すら危うくなっています。

●貿易収支
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(出所:世界経済のネタ帳)

経常収支は海外の金融資産などへの投資で黒字を維持していますが、そもそも海外へ投資できる人は裕福な人あるいは大企業であり、庶民にはほとんど関係がありません。

●経常収支
20210519keijousyuusi.jpg
(出所:世界経済のネタ帳)

海外部門は庶民にとって関係がないのですから、政府が赤字を増やしてくれないと民間はどんどん赤字(資産が目減りする)となってしまいます。

民間はさらに企業と家計に分けられ、企業は設備投資に慎重で資産を増やしているのですから家計が赤字にならざるを得ない。単的にいえば給料が減るということです。

そりゃそうでしょう。プライマリーバランス黒字化っていうのは、消費税増税で庶民から税金巻き上げて政府を黒字にしようって話なのですから。

プライマリーバランス赤字縮小の悪影響


2009年以降、日本のプライマリーバランスの赤字は着実に減少しています。財務省の思惑どおりです。

●プライマリーバランス
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(出所:ニッポンの数字)

その一方で、実質賃金は着実に減少し、日本人は年々貧しくなっています。

●実質賃金
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(出所:ニッポンの数字)

政府は大企業の経営者などを民間議員などと称し、無識者いや有識者会議なるものを開催して庶民をいじめる方策を練っているのですから頭にくる。

海外各国は政府が積極的に財政支出をして国民経済を潤しているため、結果的に税収も多くなっているのに、日本政府のやっていることと言ったら悪循環の再生産です。

以下を見ればそれは明らかです。

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(出所:新世紀のビッグブラザーへ(三橋貴明氏ブログ))

これは2001年と2019年の政府支出を比べて何倍になっているかを縦軸にとり、2001年に比べて2019年のGDPが何倍になったかを横軸にとったものです。

日本の財政支出は極端に少なく、それゆえ経済成長ができずに税収も増えないという負の連鎖を起こしています。こんな状態なのに財政健全化を目指すのは自殺行為にほかならない。

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日本の財政は健全化の一途を辿っている


意外に思われるかもしれませんが、日本の財政はどんどん健全化されています。

なぜなら日本国債を日本銀行がバンバン買っているからです。

日本政府と日本銀行は一体であり、実質的に国債は消滅していっているに等しい。

親会社が子会社に貸し付けているお金は連結決算上では貸し借り無しとなるのと同じです。(自分が自分にお金を貸していることになってしまうことになるのはおかしいから相殺して消去する。)

以下は日本の国債を日銀がどれだけ保有しているかの推移を示しています。

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(出所:新世紀のビッグブラザーへ(三橋貴明氏ブログ))

赤い部分が日銀保有分を表しており、日本政府の実質的債務を表す青い部分は2013年あたりから着実に減少しています。

その一方で国民貧困化・・・。

そしてさらに国民貧困化を推し進める自民党と財務省。財務省の意のままに操られている自民党はもはや見限る時期に来たと確信します。

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