サブプライム問題を連想させる住宅バブルと木材高騰

木材

コロナ禍の世界的な金融緩和と生活様式のコペルニクス的変化が、世界の経済様式までをも大きく揺るがしています。

通常であれば起こりえないような値上がりを起こしている商品がある一方で、信じがたいほどに値崩れしている商品もあります。

また一部商品の値上がりは15年ほど前のサブプライムローン問題を連想させるのです。






引きこもりが引き起こしたビデオカードバブル


コロナ禍がもたらしたもの、それは一言でいえば「引きこもり」です。

そして、引きこもりした人が楽しむものといえば「ゲーム」というのはお決まりのパターン。

ゲームに熱中する人が増えたせいでビデオカード(※)、とりわけ高級なビデオカードが品薄になっています。

品薄になれば当然価格は上がる。コロナ前よりも2倍以上になっている商品もあるようです。

なんと高級なビデオカードを使わないと画像の動きが遅れてゲームの勝敗にかかわるというのですから、ゲーマーとしては死活問題?なのです。

(※)ビデオカード
グラフィックカードなどとも呼ばれる。ビデオカードが搭載されていないパソコンでも画像や映像を映すことは可能だが画像や映像をきれいに速く映そうとする場合は、独立したビデオボードが必要となる。ビデオボードを取り付けると画像の発色数や表示の周波数、解析度などが向上するため、画像や映像をきれいに表示でき描画速度も向上するため、きれいでなめらかな映像を楽しめる。


驚きの住宅価格、木材価格高騰


アメリカにおいて、コロナの影響による金融緩和とテレワークの推進が新たな住宅需要を生み出しました。日本同様、郊外の不動産に人気が集まっています。

住宅の新規着工が相次ぎ、住宅価格が15年ぶりの上昇率で上がっています。

コロナの影響により木材の供給が滞っている中での住宅着工の増加により木材価格の高騰がすごいことになっています。

なんと1年で4倍の高騰。木材バブルが発生しています。

最近ではもはやお金を出しても買う木材がないという事態にまで発展してきています。

モノの値段は金融政策による金利水準で決まるのではなく、需給バランスによって決まるという典型例であり、不況時のリフレ政策による対応の不十分性が実証される事案と考えられます。

以下はアメリカの土地資産額の推移です。サブプライム問題、リーマンショック前の2005年くらいに異様な高騰が見られます。

20210602toti.jpg
(出所:国立国会図書館資料)

今回のパンデミックとは趣が異なるものの、今後の不動産バブル崩壊を連想させることは確かです。

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一方でタダ同然に値下がりするものも


住宅、木材バブルの一方で、究極のデフレ価格にまで転落している商品もあります。

典型例が航空運賃です。

イギリス、ロンドン間の航空運賃が安いときは日本円で1,600円ほどという驚異の破格値・・・。どう考えても燃料費のほうが高く赤字垂れ流し状態ですが、空気を運ぶよりはマシというところなのでしょう。

航空、鉄道産業はテレビ会議が一般化したことで、アフターコロナにおいても元の業績には戻らない可能性が高いといえます。

最後に


コロナによる生活様式や仕事の進め方の変化は一部で不可逆的なものとなりそうです。

そのような業態の株式を安易に値ごろ感で買うのは危険であるといわざるをえません。

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