スズキ、インドでの一本足打法に暗雲立ち込める

フラミンゴ

インドの経済成長は著しい。いずれ日本を抜いて世界3位の経済大国になることは確定的です。

そのインド市場にいち早く目を付けたスズキの先見性は素晴らしい。しかし、インド経済が潤うにつれ競争は激しくなり、スズキが絶対国防圏とするインドでのシェアを保つことは難しくなってきました。





インドの経済成長と自動車普及率


1990年代半ばには日本の10分の1以下であったインドの名目GDPは2021年には日本の6割程度にまで肉薄しています。

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(出所:世界経済のネタ帳)

経済成長すれば自動車を持ちたいと思う人が増えるのは当然のこと。

自動車販売の規模も日本に迫っています。

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(出所:経済産業省)

しかもインドは人口が多くてしかも平均年齢が若い。人口は約14億人で中国と互角。平均年齢はなんと約29歳!日本は約48歳ですから親子ほどに違います。

そしてまだまだインドの自動車普及率は低いため、今後の伸びしろが圧倒的に大きいという特徴があります。

ちょっと古いデータですが、自動車普及率は先進諸国とは比較にならないほどに低い。それだけ潜在需要があるといえます。

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(出所:社会実情データ図録)

スズキの圧倒的立場に暗雲


スズキはインドの自動車市場にいち早く目を付け、1980年代にはほぼ100%のシェアを誇る圧倒的な存在でした。

その後、シェアは落ちたものの5割以上を占める圧倒的首位を保ってきたのです。

しかし、状況はにわかに変わりつつあります。

1つはインドが新型コロナウイルスで現状厳しい状態に置かれているという短期的要因によるものです。

2021年5月には自動車工場すべてがストップしました。現在は回復しているとはいえ、販売店のほとんどが閉まっている状況で作っても売れる環境にありません。

しかし、これは他の自動車メーカーとて同じこと。

もう1つの長期的要因の方が圧倒的に深刻です。

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深刻なる事態


2つめの要因は他社との熾烈な競争です。

インド市場に目を付けた同業他社が次々とインドに力を入れ始めました。

代表的なのは韓国のヒュンダイと地元のタタです。

彼らがシェアを広げる一方で、スズキはシェアと落としつつあり、絶対国防圏ともいえるスズキの目標シェア5割を割り込んできました。

同業他社はスズキよりも安い価格帯で商品を投入してきており、価格競争に付き合わざるを得なくなったスズキは利益率も落としています。

直近で営業利益率は半分以下にまで下落しており、シェアを保つために安売りをするが、それでもシェアを奪われるという悪循環に陥りつつあります。

ヒュンダイは世界5位の自動車メーカーで販売台数は年間700万台以上。スズキの倍以上であり、体力的にも厳しいといわざるを得ない。

株価は語る


株価にもその影響は現れています。

スズキの株価推移は他の自動車メーカーに比べて冴えない展開が続いています。

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青がスズキで、他はトヨタ、ホンダ、日産です。

最後に


スズキをここまで育て上げた中興の祖ともいえる名物経営者、鈴木修会長が2021年6月の株主総会で退任することが決まっています。

会長退任がスズキ凋落の始まりとならぬことを祈るばかりです。

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