CDSの価格水準に見る世界各国の財政破綻可能性

札

市場は冷徹であり、マスコミがどんなゴミ情報を流そうが投資家は概ねそれを見抜いており、市場価格は長期的にはゴミ情報に左右されない真の価値が反映された価格となります。

なぜなら、人は100%他人のことを信用できないし、ましてやどこの誰かが書いたかもわからないような新聞記事や、無責任なテレビ報道などを真に受ける馬鹿はいないからです。

マスコミの情報に一喜一憂する投資家はほとんで自分の頭で分析、判断していないといってもよく、カモネギ投資家の類であって、市場のハゲタカから金を吸い取られるだけの栄養分だといえるでしょう。






CDSという保険に似た金融商品


CDSという金融商品があります。聞いたことがある人も多いと思います。

クレジット・デフォルト・スワップの略であり、国や企業のデフォルトリスクを対象とするデリバティブ取引の一つです。

CDSの買い手は保証料を払い、デフォルトに備えます。一方、売り手は保証料をもらう代わりに万一デフォルトが発生した際には買い手の損失を肩代わりしなければなりません。

いわば保険のようなものです。

保険事故が発生する可能性が高ければ保険料が高くなるのと同様、デフォルトの可能性が高ければCDSの保証料は高くなります。

日本のCDS保証料を各国と比較


日本は財政赤字、政府の債務残高ともに大きいため、これまで財政破綻論が跋扈してきました。それが真実であれば日本のCDSの保証料は相当に高いはずです。

では世界各国とその水準を比較してみましょう(2020年3月データ)。

日本   約43bps(bps:ベーシスポイント 100bps=1%となる)
アメリカ 約23bps
中国   約53bps
韓国   約38bps
ドイツ  約20bps
フランス 約20bps
イタリア 約180bps
スペイン 約80bps
イギリス 約25bps
ブラジル 約280bps
ロシア  約200bps
トルコ  約470bps
メキシコ 約240bps

上記をわかりやすく棒グラフで表すと以下のようになります。

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日本に対する評価


日本はアメリカやヨーロッパの優等生には若干劣るものの、世界的に見れば優等生レベルといえます。要するに日本国債は安全であると世界の投資家は評価しているということです。

確率的にいえば日本が5年以内にデフォルトに陥る可能性は2%程度と見ることができます。

上記で一番危険なのはトルコですが、5年以内に2割以上の確率でデフォルトすると市場は考えているといえます。それは金利水準に如実に表れています。

トルコの10年債券利回りはなんと18.9%!それだけの金利をもらわないと恐くて買えないということです。

一方、日本の10年債券利回りはたったの0.07%に過ぎず、それだけ安全だと考えられているということになります。

日本は1970年代以降、政府の長期債務は増え続けていますが、石油ショック時を除いて一貫してインフレ率は下落基調です。

これだけを見ても財政破綻論がいかにおかしな考え方かがわかります。

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(出所:三橋貴明氏ブログ(新世紀のビッグブラザーへ))

最後に


マスコミや一部の言論人、御用学者は日本の財政破綻論を煽り立てますが、市場は冷静にその嘘を見抜いており、真っ当な評価を下しているといってよいでしょう。

何しろ投資家は身銭を切って投資しており、ニセ情報に振り回されて損を被るわけにはいかないのです。

インターネットが世界中に張り巡らされ、情報格差が小さくなっている現在において、市場の合理性や効率性は当然高まっていると推測でき、CDS保証料を見る限り日本の財政破綻論は嘘であると断定することができます。

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